ジョナサン・ノット指揮 東京響 2015年 6月 6日 サントリーホール

ジョナサン・ノットが東京交響楽団の音楽監督として 2期目を迎えた。
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今季最初のこのコンビのコンサ-トの曲目は以下の通り。

R・シュトラウス : メタモルフォーゼン (変容)
ブルックナー : 交響曲第 7番ホ長調 (ノヴァーク版)

このプログラムに関して、ノット自身が語っている言葉を引用しよう。

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両方とも和声が斬新でメロディが濃厚な曲です。実際にステージに出てくるのはたった23人の弦楽奏者ですが、メタモルフォーゼンは室内楽ではないと思うかもしれません。それだけ濃厚な音作りです。この弦楽器の世界から続くのは大編成のブルックナーによる金管楽器が特徴的な、まったく別の音の世界です。是非この二つの音の世界を楽しんでいただきたいと思います。
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うーん、実は私は、昨年のクリスティアン・ティーレマン指揮のドレスデン・シュターツカペレの来日公演で、同じメタモルフォーゼンと、ブルックナー 9番の演奏を聴いたとき、まさに上記のような思いを抱いたものだ。ノットのヴィジョンたるや、おそるべし。
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ただ、残念なことに、ブルックナーは最高の出来というわけにはいかなかった。私はノットの指揮する東響を、もっとバルトークやストラヴィンスキーを振って欲しいなぁと思いながらも、あれこれ聴いてきた。マーラー、ワーグナー、ベルク。いずれも素晴らしく、今回のブルックナーに関しても、その適性をじっくり聴いてみたいと思った。ところがである。どうやらこのブルックナーという作曲家、指揮者によって如実に相性の良し悪しがあるように思われる。いかにもドイツ的な重々しい演奏もあれば、キリリと引き締まった演奏もある。その意味で、スタイルを問わず、ブルックナーの神髄を明らかにできる指揮者のパターンがあるような気がする。それにあてはめてみると、ノットの場合、ブルックナー指揮者ということにはならないだろう。何がどうと説明することはできない。でもそれが、ブルックナーという特異な作曲家の不思議なところであろう。メタモルフォーゼンは、それぞれの奏者の描く曲線の錯綜ぶりが素晴らしかったが、前述のドレスデンの演奏が耳に残っている身としては、やはり分が悪いことは致し方あるまい。

いずれにせよ、このコンビは今後も注目であることに違いはない。ただ、ノットに関してひとつ気になることがある。それは、演奏後のカーテンコールで、オケの奏者を個別に立たせることがないことだ。これは、オケの士気にもかかわることではないだろうか。例えば新世界を演奏したあとでも、コールアングレを立たせることはないのであろうか???? その日が来ることを待つこととしよう。

by yokohama7474 | 2015-06-07 23:50 | 音楽 (Live) | Comments(0)