2015年 07月 12日
バッハ作曲 ミサ曲ロ短調BWV.232 トレヴァー・ピノック指揮 紀尾井シンフォニエッタ東京 2015年 7月10日
以前触れたように、当初の発表では、指揮者はセミヨン・ビシュコフであった。
後で調べてみて意外に思ったことがある。あれだけ多くの録音を残してきているピノックであるが、このロ短調ミサもマタイも、録音していないのだ!! 何か本人の思いがあるのか、それともたまたまレコード会社の都合によるものか分からないが、今回の演奏を聴く限りでは、それは大変惜しいことであると思われる。
今回、フルートを、新日本フィルの首席の白尾彰が吹いていたが、その新日本フィルでは、この日と翌日は、ダニエル・ハーディングの指揮でマーラーの「復活」を演奏しているはず。終楽章の地獄の入り口のような音楽において、夜鳴き鶯の声を模倣するフルートの見せ場があるが、彼は劇的なマーラーではなく、清澄なバッハを選んだということか。・・・とこの時点で私は、そのマーラーがどんな演奏になるかを全く予想できないでいたのであった。