ドイツ、バイロイト エルミタージュ、新宮殿、フリーメーソン博物館

バイロイト滞在 4日目。現地で購入した英語のガイド小冊子を見て、行き先を決める。但し、昨日はオペラがなかったのでニュルンベルクで体力と気力の限界に挑戦したが、今日はそうはいかない。夜の「ジークフリート」に備えて、あまり無理はできない。ということで、街中から少し離れたエルミタージュと、街中でまだ行っていない新宮殿をメインとすることに決めた。

エルミタージュとは、サンクトペテルブルクの有名な美術館で知られる通り、庵とか隠れ家といった意味のある言葉。ここバイロイトにある同名の宮殿は、現地で購入した小冊子によると、18世紀初頭の辺境伯、ゲオルク・ウィルヘルムが 1715年に造営を始め、その後プロイセンの有名なフリードリヒ大王の姉、ウィルヘルミーネ (1709 - 1758) が当地のフリードリヒ辺境伯に嫁入りして、この宮殿を自由に使ってもよいとの許可を得て、大々的に造営したもの。バイロイト市街に新宮殿 (後述) が造営されると、それとの対比で旧宮殿とも呼ばれたらしい。これがウィルヘルミーネ妃。あんまりうまい絵ではないですが (笑)。
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因みにこのエルミタージュ、航空写真は以下の通り。かなり広大な土地だ。市街地からはバスで 15分ほど。
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この宮殿の造営は、まさにヴェルサイユ宮殿とほぼ同時期。ヨーロッパでは絶対王政の時代。美術では、ロココの時代だ。まあ、ドイツのヴェルサイユとまでは言わないまでも、ちょっと近いイメージあるでしょ。まあもちろん、豪華さにかけては勝負にはならないけれど・・・。
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また、この時代によくある、人工的に作られた廃墟やローマ式屋外劇場もある。
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さて、宮殿内はガイドツアーでのみの入場。所要時間は 45分で、私が訪れたときはドイツ語ツアーしかなかったが、まあやむない。
宮殿内にはいろいろ面白いところがあるが、極め付きは、これまたこの時代に流行ったグロッタ (人工的な洞窟) の中の仕掛け噴水だ。案内人が、まずはそのまま水を出すと、いかにも涼しげで、炎暑のことでもあるからお客は皆大喜び。その後、水の噴出口に被せ物をして、いろんな形を見せ、ときに水量を増してお客に水がかかるようにする。ザルツブルク近郊のヘルブルン宮殿を思い出した。
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宮殿内は、さほど豪華ではないが、いろいろ部屋があって、中でも面白いのは日本の間。こんな感じなのだが、ちょっと日光東照宮あたりを思わせると言えなくもないし、建物の描き方はそれなりに頑張っているが、題材はほぼ中国だ。もっとも、「太平洋に浮かぶ明太子形の国」と思われていたわけなので、しょうがないのでしょうが。
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帰りがけに、温室に付随する「太陽神殿」なる建物をまじまじと見る。てっぺんにアポロン像を冠しているが、これもグロッタ様の作り。なかなか面白い。

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さてそれから市内にとって返し、新宮殿へ。こちらもいろいろ部屋があるが、突飛なものは (ここでもやはり) グロッタくらいしかなく、まあ通常の宮殿という感じ。エルミタージュの方がユニークで見応えがあったなぁ。ここでは、ギャラリー、18世紀の食器の展示、2階の広間の写真を掲載しておきましょう。
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さて実は、この新宮殿は、むしろ建物を出てからの方が素晴らしい。背後一体に広がる広大な庭園 (Hofgarten) が、なんとも穏やかな気分になれる場所なのだ。この庭園、例のワーグナーの旧居、ヴァーンフリートのすぐ裏に展開していて、ワーグナーもよく散策を楽しみ、最後の作品「パルシファル」の構想を練ったとか。宮殿から庭園に続く門。夏の光があふれています。また、噴水彫刻もいい雰囲気です。
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さて、ここから、通常の日本のガイドブックには記載されていないだろう博物館に行きます。それは、フリーメーソン博物館。あの秘密結社のフリーメーソンだ。なぜこんなところにあるのか知らないが、ドイツで唯一のフリーメーソンについての博物館だそうだ。宮殿から Hofgarten に入り、ヴァーンフリートまでの距離の半分くらいの距離、向かって左手に存在している。こんな建物だ。
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入り口の上を見ると、おお、フリーメーソンの象徴、石工の記号が。
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なにか近づきがたい雰囲気。呼び鈴を押せと書いてあるので押してみたが、なかなか人が出てこない。しばらくしてあきらめよう (ちょっとほっとしながら 笑) とすると、音もなく扉がすっと開き、金髪碧眼の青年 (確かマントを着ていたかな?) が出て来て、何やらドイツ語で無愛想にボソボソ話しかけてくる。あぁ、違います違います。フリーメーソンが世界を裏で操る組織だなんて、そんな陰謀論、ちょっと面白いから少しかじっていますが、本気でそんなこと信じているわけないじゃないですか。だから勘弁して下さいよ、そんな青い目で冷たく見ないで下さいよ。本を何冊か、うーん、多分 10冊くらい、持っているだけで・・・。ひえー、寄らないでー!! と心の中で喚いていると、むこうも怪訝な顔をする。落ち着いてよーく聞いてみると、「ツヴァイ・オイロ」、つまり、「2ユーロです」と、入場料のことを言っていただけだったのだ。あぁ、冷や汗かいた。

展示品はユニークで、フリーメーソンの由来や、古い文書など。また、勲章がズラリ。なぜか大きな柱時計が For Sale となっていた。どこかに仕掛けがあって、コードを解読すると、世界が驚愕するような重要文書が出て来るのであろうか。でも、値段の表示がないけど、一体幾らなのよ。
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建物を出て帰ろうとすると、敷地内に何やら墓地のようなところが。うーん、この丸とか三角とか、まさかこの人たちの Remains もそういう形になっているんじゃないだろなぁ・・・。
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知られざるバイロイトの名所からの報告でした。

by yokohama7474 | 2015-08-13 07:48 | 美術・旅行 | Comments(0)
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