バイロイト音楽祭 ワーグナー : 楽劇「ジークフリート」(指揮 : キリル・ペトレンコ / 演出 : フランク・カストルフ) 2015年 8月12日 バイロイト祝祭劇場

「ニーベルングの指環」4部作のうちの 3作目、「ジークフリート」。正直に言おう。この公演の演出は、私がこれまでに見たオペラの演出の中で、文句なしに最悪のものだ。何がどうおかしいかを細かく書いてみようかと思ったが、やめておこう。私はこの演出、間違っていると思う。吐き気がする。前にも書いたが、こんなことをするくらいなら、オペラの演出なんてしないで、オリジナルの芝居の脚本を自分で書くか、映画でも作ればよい。終演後のブーイングも大変なものであり、聴衆の総意は明らかであるように思われる。ただこの種の演出家は、そんな悪評は一切意に介さない強靭さを持っているのが通常だが、さて、一体本人は、この演出に意義を見出しているのであろうか。「オレの演出、すげーだろー」などと思っているのだろうか。一度訊いてみたいものだ。パトリス・シェローとピエール・ブーレーズがバイロイトでこの「指環」を演奏したときにも大変なブーだったと聞いているが、当初から高く評価する声はあったし、今では伝説的公演となっている。それに引き換え、この演出はそうはならないだろう。どなたか、賭けをしませんか。

但し、ペトレンコの音楽の表現力だけは相変わらず凄まじく、大詰めでブリュンヒルデが目覚める前の音楽の高まりと、そこから持続した濃密な時間は大変なもの。ジークフリートのシュテファン・フィンケと、(「ワルキューレ」ではそれほど印象に残らなかった) ブリュンヒルデのキャサリン・フォスターの 2人も圧巻であった。

画像なしに悪口だけでは淋しいので、一応本作の舞台写真を使った現地発行の雑誌の表紙を掲載しておく。マルクス、レーニン、スターリン、毛沢東。なんですかねこれは。
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by yokohama7474 | 2015-08-13 08:19 | 音楽 (Live) | Comments(0)
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