ドイツ、バンベルク 大聖堂、新宮殿等

昨日、誕生日ということで痛飲したのだが、実質的には今回の旅行で出かけることができる最終日に当たったため、二日酔いをおして、頑張ってバンベルクに行って来た。バイロイトからだと、地図で見るとニュルンベルクよりも近そうだが、こちらの方が時間がかかったように思う。いずれにせよ、列車で所用 70分程度と、お手軽なエクスカーションだ。

今回は、バンベルク滞在が 3時間程度と短かったこともあり、街を見つくしたわけではないので、あまり無駄口を叩かずに、この世界遺産都市の風景や文化遺産の写真をお楽しみ頂きたいと思う。

このバンベルクという街、音楽愛好家にとってはもちろん、ドイツの素朴な味わいを残す名オーケストラ、バンベルク交響楽団でおなじみだ。もともとチェコからドイツに逃れた音楽家が結成したオーケストラだ。やはり土地柄として、チェコとの国境から近いということは、自然環境もチェコと似通ったところもあるのかもしれない。戦災に遭っていないらしく、中世の雰囲気を色濃く残した大変美しい街だ。歴史的には、領主司教と呼ばれる、いわゆる司教を君主とする制度を取り、実際にこの街には司教が君臨したが、街の基礎を築いたのは 11世紀初頭の神聖ローマ皇帝、ハインリヒ 2世だ。

駅から歩くこと 10分程度。レグニッツ川の豊かな流れに驚かされる。そこに立ち並ぶ家々。
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16世紀に建造された旧市庁舎が立っているが、なんと川の中州にあるのだ。これはちょっと見たことないですな。
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このあたりからあちこちに古い家が立ち並ぶ小道が伸びる。この家なんて、やはり 400-500年くらい経っていそうだけども、そこに雑貨屋さんが入っているのも、なんともオシャレ。
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石畳の道が少しずつ上りとなって、ついに大聖堂及び、新宮殿 (ノイエ・レジデンツ) の前に出る。
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まずは大聖堂に入ってみる。街の基礎を築いたハインリヒ 2世の時代には既に工事が始まっていたらしいが、その後火災などがあり、現在の建物は 13世紀の建造。ちょうどロマネスクからゴジックに移行する時代で、建築様式には両様式の混在が見られるという。
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この聖堂の中に、「バンベルクの騎士」と呼ばれる彫刻がある。13世紀初頭の作と言われているが、これだけの堂々たる作品であるにも関わらず、作者名も誰の像なのかも、未だ不明とのこと。いやー、凛々しいお姿です。
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そして目を引くのが、皇帝ハイリンヒ 2世とおの奥方の棺。亡くなった時代よりも後に作られた棺らしいが、生前の業績も側面に彫刻され、このお 2人がいかに人々に慕われていたかがよく分かる。
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ここの部分はロマネスク風の素朴な感じ。
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奥の方の向かって左側に、素晴らしい木彫りの彫刻がある。テーマはキリストの生誕で、1523年、ニュルンベルクの彫刻家、ファイト・シュトースの作品。先の記事でご紹介した、ニュルンベルクの聖ロレンツ教会にかかっている素晴らしいレリーフも彼の作品だった。調べてみると、ポーランドのクラクフの教会にも作品があって、それはゴシック期の祭壇彫刻としてヨーロッパ最大だとか。行ってみたいものです。
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また、次は隣で英語のガイドが説明しているのを聞きとがめて発見したちょっと珍しいもので、現地で購入したガイドブックにも載っていない。これです。
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これは、高い天井に描いてあるもので、どうみても悪魔のようだ。ほかにももうひとつあったが、そちらは光の加減でどうしても写真を写すことができなかった。これ、戯画のようにも見えるし、普通教会の天井に、こういう絵が描かないでしょう。なので、上から天井画を描くことを前提として、手すさびで絵師が描いた落書きではないのか。日本でも、唐招提寺に似たような例があるし、もしそうだとすると、中世の人々の生きた姿が、鮮やかに甦ってくる、なかなかに貴重な例だ。ガイドブックに載っていないこういう発見をすると、少し得をしたようで、嬉しくなる。

さて、次に大聖堂のすぐ前にある新宮殿を見てみよう。16世紀後半から造営されたもの。なかなか立派な建物だ。
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中もかなり広く、絵画のギャラリーは個々人で見るが、宮殿内はツアーに参加する。この手の宮殿のギャラリーは通常、あまりレヴェルが高くないので、ガランとした展示室をツカツカと歩いて行ったが、奥の部屋で足が停まった。なんとここにも、ハンス・バルデュンク・グリーンやクラナッハがあるではないか!! 素晴らしい!! これまた、お得な気分にさせてくれます。
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宮殿内のツアーで最初に通されるのが、皇帝の広間。絢爛たる色使いで、豪華に仕上げられている。ただ天井は充分高くないため、だまし絵 (トロンプルイユ) の手法で上階部分が描いてある。壁には主要な神聖ローマ皇帝の姿が描いてあるが、ここでも最初に描かれているのは、ハインリヒ 2世だ。
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さてその後も古い町並みをぶらぶらしながら、もう 1つ、どうしても行きたい場所があった。それは、E・T・A・ホフマン (イー・ティー・エーではなく、ドイツ語で、エ・テー・アーと正確に読みましょう。Ernst Theodor Amadeus のことらしい) の旧居である。E・T・A・ホフマンは、ドイツロマン主義の幻想作家として知られているが、実は結構多才な人で、ここバンベルクでは、劇場の指揮者として雇われたらしい (名前の A はアマデウス、つまりモーツァルトの名前から取っているわけだ)。ただ、今は博物館になっているその旧居は、なんとも小さなものだ。しかも、どうやら、15時から 17時までしか開館していない模様。えぇー、イタリアではあるまいし、ここはドイツなんだから、もっと働こうよー。因みに、この旧居のすぐ近くに、彼の名を冠した新しい劇場があった。ホフマンのバンベルク時代は、あまり恵まれていなかったようであるが、それでも後世の人たちがこうして彼を顕彰するというのは、素晴らしいことだ。だけど、もっと博物館、開けようよ (笑)。
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さて、このあたりで時間切れとなり、バイロイトに戻ったが、まだまだ街の雰囲気も味わいたいし、見たいところも沢山ある。できれば近い将来での再訪を期して、この素晴らしい街を離れたのでありました。


by yokohama7474 | 2015-08-15 10:12 | 美術・旅行 | Comments(0)