アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン (ジョス・ウェドン監督 / 原題 : Avengers : Age of Ultron)

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ヨーロッパ旅行で遊び呆けているうちに、日本では既に夏休み映画が続々封切られていたことが判明。よし、頑張ってこれから挽回するぞ!! と決意して最初に見に行ったのがこの映画である。

ご存じない方のために申し上げると、これはマーベル社のアメリカンコミック (いわゆるアメコミ) を原作とするヒーロー物の集大成。なにせ、他の作品では主役を張っている、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティー・ソー、ハルクらのヒーローが集結、一致団結して (まあこの作品では内輪もめもあれこれあるのだが) 強大な敵に立ち向かうという物語である。いわば、中トロ・ウニ・イクラ丼みたいなもの。すぐに上映終了してしまうのでは、という危惧に反し、立派に 1ヶ月以上公開中である。

このアベンジャーのシリーズは、これで 11本目とのことだが、私はアイアンマンを 1本も見たことがなく、せいぜい、マイティー・ソーの 2本と、キャプテン・アメリカの 2作目くらいだ。その意味では、ほかの作品での世界観のニュアンスを深く知る立場にはない。なので、開き直って、ゼロから映画を楽しみたいと思った。正直、中トロ、ウニ、イクラのどれかに絞った方が海鮮丼としてはうまいのではないかと思っていたのだが、ある意味、ここまでやってくれれば、なかなかに面白い。丼の中には、中トロ、ウニ、イクラのみならず、キャビア、明太子、くさやも一緒に入っていたのである!! すみません、見ていない人にはワケ分かりませんよね。要するに、アベンジャーズというヒーロー集団だけでなく、明らかな敵、あるいは敵か味方か分からない超人キャラクターがあれこれ出てきて、これがなかなかに楽しいのだ。

それにしても、この映画の豪華な俳優陣はどうだ。主役とみなしてよいのは、アイアンマン役のロバート・ダウニー Jr. であろうが、私はシャーロック・ホームズ・シリーズの彼が大好きで、今回も期待して見たのであるが、期待通りと言うべきか、飄々とした味わいが微笑を誘う。ものすごい動きで敵を攻撃しているときに、アイアンマンスーツの下の彼はあれこれ考えているのだが、それが必ず顔の静止画のアップで、その著しいギャップが笑えるし、散々いろんなものを破壊して九死に一生を得たあとでも、アイアンマンスーツを脱いだあとは、頬の切り傷ひとつなのだ (笑)。これはフィギュアの写真だが、映画の中の本物がもっとずっと軽傷だ。
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まあそれにしても、いろんな映画が次から次へとよくもまあ、地球を絶滅の危機に陥れてくれること。この映画では、アイアンマンの本来の姿である科学者、トニー・スタークが開発した、ウルトロンという機械生命体 (ってなんだろう???) がアベンジャーズに敵対するのだが、相手の正体が最初から分かっている分、ハラハラ感はあまりない。むしろ、ハルクが暴れてビルの建設現場を破壊するシーンで、強烈な煙が舞い立つシーンが、911 のビルの崩壊を思わせて、アメリカの人たちはこれを平気で見ることができたのだろうかと、そっちの方がハラハラしたものだ。その一方、最後に大きなドンデン返しがあるわけでもなく、ある意味安心して見ていられる (?) と言えないこともない。

役者でもう一人気になったのは、あの「ハート・ロッカー」で忘れられない演技を見せてくれた、ホーク・アイ役のジェレミー・レナーだ。
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うーん、「ロード・オブ・ザ・リング」のレゴラス (オーランド・ブルームが演じた) もそうだったが、迫りくる敵の大量の軍勢に対して、弓矢ではどうしても時間がかかりすぎて、敵にやられてしまうだろうと思うのだが・・・。

あとは、やはりブラック・ウィドウ役のスカーレット・ヨハンソン。相変わらず役柄を選ばない女優魂を見せているが、彼女のカッコいい姿をシルエットで写して見せた監督は、なかなかにセンスがあると思う。もうかなりベテランになったかと思いきや、まだ 30そこそこだ。まだまだこれからの活躍に期待。
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それから、最後にこのブログならではの、音楽のこだわりに触れておこう。オリジナル音楽は、今や映画音楽の巨匠となったダニー・エルフマンだが、劇中でベルリーニの歌劇「ノルマ」から、「清らかな女神よ」(通称「カスタ・ディーヴァ」) が使われているシーンがあり、むむ、この太い情念の声は、と思うと、案の定マリア・カラスの録音だった。また、エンド・タイトルによると、現代音楽の巨匠、アルヴォ・ペルトの「ベルリン・ミサ」を使っていた模様。ペルトに関してはちょっとうるさい私も、この曲は聴いたことがない。今度調べてみよう。

いや全く、キャビアや明太子やくさやだけでなく、マロン・グラッセとかティラミスまで入った、なかなか気の利いた映画ですなぁ。でもちょっと、食い合わせ悪そう。うげっ。

by yokohama7474 | 2015-08-20 00:23 | 映画 | Comments(0)
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