2016年 07月 19日
マネーモンスター (ジョディ・フォスター監督 / 原題 : Money Monster)
まず全体的に、なんとなく映像の鮮明さを欠いていたこと。ストーリーのかなりの部分はテレビスタジオの中で展開するものの、疑惑の対象となるIbis Clear Capitalなる会社のCEOやその女性部下であるCCOの登場シーンには、オフィスビルや空港といったいろいろな場所が出てくるという対照は理解できた。だがそれなら一層、その対照を際立たせるため、スタジオ内の緊張をさらに高めるような強烈で息苦しいショットがあってもよかったのではないか。まず視覚から来る刺激という点で、私はどうもリズムに乗れなかった。これがIbis Clear Capitalのお二人。CEOウォルト・ギャンビーを演じるのはドミニク・ウェスト。COOダイアン・レスターを演じるのはカトリーナ・バルフ。あ、どうせこのような上司と部下の関係は何か意味深なのではないかと、すぐにそういう下世話な勘ぐりをする人、いると思います(笑)。ネタバレは避けるが、まあこの辺の設定の巧拙で映画の面白みはかなり違ってこよう。
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物語については、リアルで説得力があるところに惹かれた。汚い世界の犠牲になったカイルに共感できたんだ。
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もちろんこれは素直な感想で大変結構だし、「リアルじゃないなぁと思いました」とはインタビューで言わないと思うが(笑)、演技の中に何かもっと狂気を感じるものがあれば、嘘からリアリティが生まれてきたかもしれない・・・と思ってしまうのはないものねだりか。
と言いながら、この映画を見たときに劇場にサイン入りポスターが貼ってあったので写真に収めてしまった。ハートマークなんて書いている場合かい、と突っ込むのはやめにして、次回作に期待しましょう。