セイジ・オザワ松本フェスティバル 公開リハーサル ファビオ・ルイージ / 小澤征爾指揮 サイトウ・キネン・オーケストラ 2016年 8月17日 キッセイ文化ホール

e0345320_21343283.jpg
今年もセイジ・オザワ松本ファスティバルの季節がやってきた。もともとのサイトウ・キネン・フェスティバル松本という名称を替えてから、今回が2回目の開催ということになる。総監督の小澤征爾の登場は、当初発表では、オーケストラコンサート2回における後半と、マーカス・ロバーツを迎えてのGigでの「ラプソディ・イン・ブルー」、そして小澤征爾音楽塾オケによるラヴェルの歌劇「子どもと魔法」を2回ということであったが、オペラについては早々に降板が発表され、オーケストラコンサートについても、8/5という2週間前を切るタイミングになってから、ブラームス4番からベートーヴェン7番に変更になると発表された。音楽祭のサイトによると、4月にヨーロッパから(ベルリン・フィルを指揮して)帰国した後、体重が減ってしまい、体力がもとに戻らないがゆえに、医師と相談して曲目変更を決めたとある。ブラームス4番は、意外にも未だ小澤とサイトウ・キネンが松本で演奏したことのない曲目であるらしく、昨年もプログラムに入っていたが、やはり体力的な問題で、ベートーヴェン2番に変更になってしまった。今年こそブラームスを聴けると楽しみにしてきた、私を含むファンにとっては大変残念なことだが、致し方ない。ただそれにしても、演奏時間45分程度のブラームス4番に対し、ベートーヴェン7番は35分程度。この10分の差がそんなに大きいのか・・・と思ってしまうのが人情。まあもちろん、長さ以上にブラームスの音楽にはエネルギーが必要とされることもよく理解できるが。ちなみに最近松本で撮られた小澤の写真は以下の通り。
e0345320_21462275.jpg
私は今回、このコンサートに出掛ける予定にしているが、実は今日、それに先立つ公開リハーサルがあり、幸運なことにそれに参加することができたので、その様子をリポートする。会場のキッセイ文化ホール(旧松本文化会館)の入り口は例年通り、あまり華美でない飾りつけ。
e0345320_21532054.jpg
今日のリハーサルは、実際には本番前の通し稽古、いわゆるゲネプロで、1階席の後半部分が座席指定されて聴衆に開放されて行われたが、そのスペースに聴衆はぎっしりだったので、総勢500名規模であったろうか。入場の際、皆さん興奮を隠せない様子。
e0345320_21571598.jpg
そして始まったゲネプロは、まずイタリアの名指揮者ファビオ・ルイージがオネゲルの交響曲第3番「典礼風」を、次いで小澤がベートーヴェンの交響曲第7番イ長調作品92を通しで演奏するというものであった。それぞれの演奏内容については、実際のコンサートを聴いてから感想を書くことにしたいので、今日のところはゲネプロの様子のみ書いておくこととする。

まず、サイトウ・キネンの面々は、夏のことでもあり大変ラフな格好で、バミューダパンツにサンダルばきの人もいて、中には(ルイージのときには)サンダルを抜いて裸足になる奏者までいた。もちろん一流のプロの面々であるから、着ているものによって音の質が変わるということはありません(笑)。登場したルイージはポロシャツにスラックスで、30分程度のオネゲルの曲を、スコアをめくりつつ、最初から最後まで一気に演奏した。唯一、終楽章終結部近くの、フルートのソロにチェロのソロがかぶるところで、フルートのパートを大きく歌って強調していたくらいで、演奏を停めての指示は一切なし。全曲演奏が終わったあとも、同じフルートとチェロの絡みを繰り返したり、第1楽章の途中を少しさらったくらいで早々に練習は終了した (但し、トランペット奏者がドイツ語で何か質問したのに対してドイツ語で答えていた)。ステージから客席まで距離があり、背中をこちらに向けているので、喋っている言葉はほとんど聞き取れなかったが、最後にオケの演奏を"Excellent!"と誉めたあと、「次に皆さんと会うのは明日の夕方(本番前)ですね。トイ・トイ・トイ!!」と締めくくっているのは何とか聞き取れた。「トイ・トイ・トイ」はまじないの言葉であり、リハーサルのくつろいだ雰囲気をよく表していた。
e0345320_22242351.jpg
さてそれからステージの設定替え(ベートーヴェンはオネゲルよりも編成が小さいので)があったあと、いよいよ小澤の登場。チューニングの際には指揮台に腰をかけて待っていたが、上の写真でも分かる通り、また一回り小さくなったように見えて、ちょっと寂しかった。だが曲が始まるといつもの小澤の音楽で、気心の知れたメンバーとの息の合った充実の演奏が展開して行った。スコアは指揮台に置いているものの、手を触れることもない。身振りは本番よりは少し小さめと見受けられ、一度などは、テニスラケットをバックハンドで両手打ちするような珍しい動作も見せた。あまり考えたくないが、やはり自分のイメージ通りいかない体の動きを補強するための仕草だったのか・・・。第1楽章終了後は、ヴィオラセクションの前に置いた黒いチェアに腰かけて、水を飲んだ。ヴィオラのトップである店村眞積と何か喋っているが、ちょっとつらそうだ。そして、第2楽章を演奏したあと、どうやら小澤自身から申し出たように見えたが、15分間の休憩に入った。少しドキドキしながら15分が過ぎ、その後、第3、第4楽章がつつがなく演奏されたのだが、音楽に比類ない情熱をかけるあの小澤征爾のこと、通し演奏後に何か所かは指示が入るかと思いきや、全く何もなく、そのまま解散。つまり、このゲネプロを通して、指揮者からの指示は一切なしだ。これは演奏のクオリティが既に充分高いとして喜んでよいのか、それとも小澤の体力を心配すべきなのか。会場では撮影禁止のアナウンスはなかったので、1枚だけ遠慮しながら撮影したのがこの写真。
e0345320_22203434.jpg
ともあれ、まずは明日の演奏会が成功することを、少しドキドキしながらも、心から祈っております!!

by yokohama7474 | 2016-08-17 22:32 | 音楽 (Live) | Comments(0)
<< セイジ・オザワ松本フェスティバ... シン・ゴジラ (庵野秀明総監督) >>