2017年 05月 17日
オルセーのナビ派展 美の預言者たち --- ささやきとざわめき 三菱一号館美術館
そもそもナビ派とは何か。ナビとはヘブライ語で預言者のこと。新たな美の預言者たろうとして 19世紀末に起こった若い画家たちの一派で、ゴーギャンの影響を受けて、平面的で装飾的な作品を描いた。と書いてもなんのことやら分からないので、いくつか作品を見てみよう。まず、ナビ派が規範としたゴーギャン (1848 - 1903) の「『黄色いキリスト』のある自画像」(1890 - 91年)。有名な作品である。
ところで、冒頭近くで掲げた 1979年の「週刊 朝日百科 世界の美術」では、なぜナビ派とシャガールを一緒に扱ったのだろう。シャガールはユダヤ系ベラルーシ人で、もちろんナビ派よりもさらに大きな流れである (だが画家それぞれの個性はより際立っていた) エコール・ド・パリの画家だし、生年も 1887年で、ナビ派とは違違う世代。そして何より、絵画のタイプがかなり違うと思うが・・・。まあ、40年近く経ってから文句を言う筋合いのものでもないので、1冊で様々な美術を楽しめる号であったと割り切るとしよう (笑)。