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東京都 青梅・奥多摩 その 1 武蔵御嶽神社、塩船観音寺、青梅市街、日原鍾乳洞

このブログでは既におなじみの「安・近・短の旅」シリーズ。今回ご紹介するのは、私と家人が 1ヶ月ほど前に楽しんだ東京都内の小旅行。行き先は青梅と奥多摩なのであるが、さて、話をどこから始めようかと考えた。まずはこの言葉のご紹介からとしよう。「秘仏開扉」。子供の頃から仏像好きであった私にとってこの言葉は、魔法の呪文のようなもの。「開扉」とは、「かいひ」と読み、文字通り扉を開けて、普段は閉ざされた厨子の中におられる仏さまを明るみに出すことを指す。そして今回ご紹介したいのは、このような秘仏の開扉についてである。
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どうだろう。神秘的ではないか。この仏像は、青梅市の塩船観音寺のご本尊、千手観音像。鎌倉時代、1264年の作で、東京都指定文化財である。この仏像の開扉は年に 4回。正月 3ヶ日、1月16日、5月 1~3日、8月第 2日曜日。 東京に住んで 40年になる私も、未だかつてこの仏像を拝んだことがない。これは由々しきことである。しかもこのご本尊の左右には、千手観音の眷属である二十八部衆がすべて揃っているのである。もちろん、京都の三十三間堂という特殊な例を除けば、これは日本全国を見渡してもそうはないことだ。
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こんな仏像が東京都内にあるとは驚異的なこと。最近では仏像も多くの人の興味を惹くようになってきて、様々な書物が出ているが、東京近郊の仏像に関するお薦めの本は、なんと言ってもこれである。
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ここには本当に貴重な首都圏の古い仏像の数々が紹介されていて圧巻である。この塩船観音寺の仏像も、きれいなカラー写真で紹介されている。このような本を見て私は、今年の年明け早々、正月 3ヶ日にこの寺を訪れようと一旦は決心したのであるが、ちょっと寒くて億劫であった (笑)。そんなわけで、もっと温かい頃、つまりはゴールデン・ウィーク中の開扉期間に、念願の塩船観音寺詣でをすることとなった。多摩川下流の我が家からは、川を遡る旅。もちろん水路ではなく陸路を辿り (笑)、現地に到着したのは朝 9時頃であった。この仁王門は室町時代のもので、国指定の重要文化財である。
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ところが本堂に辿り着いて内部に入っても、内陣に入ることはできないばかりか、ご本尊の厨子は堅く閉ざされたまま。これはどうも勝手が違うと思い、堂内のお坊さんに訪ねてみると、開扉は午後、13時からとのこと。おっとこれは困った。だが、この寺の境内ではおりしも、つつじ祭りを開催中。このような美しい風景を見ることはできた。
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さて、そうは言っても、13時までここで過ごすわけにもいかず、このままでは時間がもったいない。だが慌てるなかれ。観光するときの私の中には常にプラン B がある。今回は、ほかに行くべき場所があり、そちらをサクッと訪ねてからまたここに帰ってくるという案に移行することとした。その、「ほかに行くべき場所」とは、これである。
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同じ青梅市にある武蔵御嶽神社 (むさしみたけじんじゃ)。ここは以前テレビで見たのを覚えていて、犬を尊い存在として敬うため、犬連れで詣でる人たちが多い神社である。この神社では十二年に一度、酉 (とり) 年だけ特別な行事が行われる (戌年ではないので要注意)。上のポスターにある通り、ご神体の蔵王権現 (ざおうごんげん) 像が開扉されるのだ。おぉー、ここでもカイヒなのである。これは行くしかない。実はこの特別開扉は期間限定で、5月いっぱいで終了 (なので、この記事をご覧の方、まだギリギリ間に合いますよ!!)。しかも建物の中に入ってその尊像に対面できるのは一日に数回、決められた時刻のみ。事前に調べていたところでは、次は 11時なのである。だが、同じ青梅市内で 9時に塩船観音寺にいて、11時に御嶽神社に行くなら、少し時間が余るのではないかと思い、途中でこのような場所に寄ることとした。
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そう、「宮本武蔵」などの歴史もので有名な作家、吉川英治の旧居が記念館になっているのである。だがこの日はあいにく月曜日。記念館は休館日なのであった。随分以前に一度訪れたことがあるとはいえ、なんとも悔しい思いをしたのである。実はこの近くにはもうひとつ、日本画家河合玉堂の記念館もあり、御嶽神社に行く前にこの 2つに寄って行けばちょうどよいかと思ったので、なおさら悔しい。これでは時間を持て余すではないか・・・。そう思った私が実は甘かったことがあとで証明されることとなった。その意味では、この日がたまたま月曜であったおかげで、御嶽神社のご神体を時間の無駄なく拝むことができたのは、何やら不思議なご縁であったと思う。つまり、この御嶽神社、車でスイスイと前まで行くことができない、つまりは私が想定したようにサクッと訪れることなどとてもできない場所なのである。「武蔵御嶽神社」と入力した車のナビに従って辿り着いたのはこの場所。ケーブルカーの駅であった。
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御嶽神社に行くにはこのケーブルカーに乗るしか手段はなく、しかも頂上で下車後、25分歩かなければならないという!! ケーブルカーから見る武蔵野の山々は緑が深く、しかも、あっ、やはり犬が乗れるようになっている。
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ケーブルカーを降りてから歩き始めると、そこには、この地に参拝する人たちのための昔ながらの宿が点在する。ここはいわゆる修験道 (しゅげんどう = 密教と結びついた日本古来の山岳信仰。山伏でおなじみ) の聖地。信仰のためにこの山を訪れる人たちの世話をする、いわゆる御師 (おし) のような制度が未だに存続しているのだろうか。21世紀にまで存続する山の神秘に心打たれる。
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11時の開扉時刻に間に合うには、ちょっと急がなければ。それを逃すと次は 13時なのだ。石段を踏みしめて歩を進め、ようやく神社が見えてきたときの感動は忘れない。最後の石段には鬼が顔を出している。
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ここは本当に聖なる場所であり、肺いっぱいに吸い込む空気から、普段の都会生活の垢を落とすことができる。見晴らしも最高だ。
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そして 5月でありながら、ここでは未だに桜が花をつけていた。修験道の総本山は吉野。もちろんそこは桜の名所である。修験道の神である蔵王権現は桜が大好きなのだ。
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そして本殿の横には何やら柱が立っていて、そこに布が縛りつけられている。これはご神体である蔵王権現を祀る本殿から引かれていて、この柱に触るとご神体から直接ご利益を頂くことができるわけである。
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さて、昇殿の時刻である 11時になんとか間に合った我々は、総勢 50名程度かと思われる人々と一緒に拝殿に入って行った。その中では撮影禁止と明確な指示はなかったものの、その厳かな雰囲気は、気軽にシャッターを切ることができないようなもの。よって内部の写真はないが、中では神主さんたちの祝詞があり、ご神体開扉の前には招魂のために「おおぉぉぉぉ~~」という唸りがあげられ、参拝する人たちみな、頭を下げて敬虔な気持ちになる。そして順番に並び、拝殿からは階段を経て見上げる位置にある本殿の前面に出されてきたご神体とご対面することが許される。本殿の前面までご神体を移動させるのは十二年に一度、酉年だけである由。ご神体の蔵王権現は、高さ 50cm ほどであろうか、かなり小さいもの。青銅製かと見られる素朴なお姿で、彫刻として最高の出来というわけではないにせよ、古来この由緒正しい神社に祀られてきた霊像であり、十二年に一度という機会に、とにかく有り難い儀式を経てようやく叶ったご対面である。それはそれは感動的なイヴェントとなった。

再び神社の境内に戻ると、そこには犬連れの参拝客の姿もあり、ペットお守りなども売っている。我が家の愛犬は 1年半ほど前に天国に旅立ってしまったが、何やら我々夫婦と一緒にこの神社に詣でているような気がして、命の尊さを改めて実感した。もっとも犬たちにはそんな感傷はないと思うが (笑)。
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また、この神社の宝物館には国宝の甲冑など、貴重な文化財が展示されていて興味深いが、出版物からの転載も許可しないという貼り紙があったので、ここでは画像でのご紹介は断念する。是非現地でご覧下さい。

さてそれからまた塩船観音寺に戻る途中、青梅駅周辺で道草を食った。我が家の場合、この道草を楽しむことが旅先では何より大事なのである (笑)。街のそこここに洋の東西を問わない古い映画のポスターをもとにした看板画がかかっており、なんともレトロである。昭和な博物館もいくつかあるが、やはり月曜で休館であった。猫による「東京物語」のパロディが楽しい。
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そして、住吉神社という神社には、カバーをかけられた山車のようなものが。実はこの翌日から青梅大祭なるものが開かれるのである。これまで知らなかったが、かなり由緒のある盛大なお祭りらしい。
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そんなことで、再び舞い戻った塩船観音堂。まずは薬師如来堂に詣でる。青梅市指定文化財だが、そのお姿はかなり古様で素朴。霊験あらたかな雰囲気満点である。
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そうしてようやく目にすることができた本尊、千手観音像。お堂の扉も開け放たれていたので、外からでもこのようにお姿を拝むことができる。なんと神秘的。冒頭の写真では、等身大か、あるいはそれ以上の大きさかと思われるが、実際の像高は 144cm。小ぶりな観音様である。私としては、長年の念願叶ってこの仏さまに対面できたことを、心から嬉しいと思ったのだ。そのような思いをたまに持つことで、決して平穏ばかりではない日常生活を乗り切っていけるのである。
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この日はこれから最後に、これも以前から興味があって行くことができなかった日原 (にっぱら) 鍾乳洞に行くことにした。ここは古くから修験道の修行の場として使われていて、その意味での神秘性を感じる場所。例えば秋芳洞や龍河洞のような自然の驚異を感じる美しい場所というよりは、自然に感嘆しそれを敬った人間たちの祈りが未だに残っているような、そんな場所なのである。以下、洞内で撮影した写真をご紹介する。
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洞内はかなり長い通路が設けられていて、アップダウンも相当に険しい。このような中を歩いていると、無性に外の光が恋しくなる。そんな思いをした後、洞窟から出た私の目に飛び込んできた渓流は、まごうことなき生命に溢れた場所であって、視覚だけでなく聴覚や嗅覚の点でも、地上に息づく生命を感じることができ、心からほっとしたことである。普段感じないような光や水や空気や生命の尊さを感じることとなったわけなのだ。これはあたかも、映画「ゼロ・グラビティ」で主役のサンドラ・ブロックが地球に帰還したシーンのようであった。日常当たり前だと思っていることの尊さを感じる機会は、実に貴重なのである。
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川の流れをじっと眺めていると、そこにある岩が、人間の顔のように見えてきた。なるほど人間はこういう感性が敏感になったときに幻影などを見て、様々な文化を創り出してきたのだろうかと思ったものである。
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この日は大気が不安定で、何度か雨に見舞われたのであるが、不思議なことに、激しい雨が降ったのは我々が車で移動しているときで、それぞれの目的地では全く傘の必要もなかったのである。また、上に書いた通り、月曜日であったために時間の有効活用ができたことも大変にありがたかった。私は何もそれを神秘的な現象と言うつもりはなく、たまたまなのであるが、それでもやはり、このような経験から感じることは多々ある。この日の日程を終え、宿に向かう途中には、既に西日となった日光が戻ってきて、山の向こうからこのような輝きを見せた。さらに、宿に着く頃には日は既に山の向こうに沈んでいたが、まるで明るさを惜しむような雲の様子に目を奪われた。このような風景に神秘性を感じるのが、人間の素直な感性であると思う。
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さてその日は奥多摩にて一泊。GW の安・近・短の旅は翌日に続くのである。

by yokohama7474 | 2017-05-28 08:21 | 美術・旅行