川沿いのラプソディ


川沿いの住まいから、音楽、美術、映画その他文化一般を語りつくします。
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龍三と七人の子分たち (北野武監督)

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北野武作品は、監督の著名度や作品の受賞歴に比してあまりヒットしないという印象があるが、今回は比較的ロングランになっているような気がする (ひとえにイメージで、調べたわけではないので、間違っているかもしれないが)。ただ、映画の出来不出来とは関係なく、なぜにいつもこれほど「安い」雰囲気の映像になってしまうのだろう。今回の役者は、錚々たる面々というのは少しはばかられるものの、日本を代表する役者が何人も出演していて、それなりにきらびやかさがあってもよいはずなのに、まるで全員無名の人たちのようだ。そして、そこに本当に無名性を具現する人たち、例えば、藤竜也の息子の家族などが混じるので、全体の印象は、「なんだか知らない人たちだなぁ」となってしまう。これは当然監督の企図するところであろうし、作品全体を通して明らかに CG も少ないという事実が、画面の基本的なトーンを決めており、ハリウッド調を目指す邦画とは全く一線を画する。

私は北野映画のファンではあるが、今回の作品は、そこそこ楽しめたという程度に留まった。理由は、上記のような、なんとも言えない無名な雰囲気に加え、日本のジジイがあまりカッコよくないということであろうか。もちろん、藤竜也にせよ近藤正臣にせよ、達者だし、いい味出してはいると思う。ただ、描かれているジジイ像がなんとも情けない。いや、今日の老人像のリアリティが映画にあるとかないとかいう話ではない。なぜだか、映像に映っているジジイたちが、カリカチュアになっていないもどかしさがあるのだ。と言いつつも、何度も声を挙げて笑ったことを白状しよう。復讐を誓って仲間の死体とともに殴り込みをかけるのに、その死体を盾にするという、たけし一流のブラックユーモアも楽しかった。あらゆるところで京浜連合とバッティングする間の悪さも、よい呼吸で描けていた。それなのに、ひとえにジジイのカッコよさがビンビンと伝わって来なかったのが、いかにも残念であった。

次回作に期待。


by yokohama7474 | 2015-06-06 00:57 | 映画 | Comments(0)
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