川沿いのラプソディ


川沿いの住まいから、音楽、美術、映画その他文化一般を語りつくします。
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イニシエーション・ラブ (堤 幸彦監督)

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予告編に興味を惹かれたし、「あなたは必ず 2回観る」という宣伝文句も気になって観てみた。いやなるほど。「6 センス」並とまでは行かないが、なかなかのどんでん返しだ。この映画の美点は、考えようによっては大変恐ろしい結末を、しかし心地よい後味で振り返ることができる点だ。役者の持ち味がそれぞれ出ていて、それが隠し味になっていると思う。例えば前田敦子は、彼女自身のキャリアの中で、想像もできないほど数限りなくカメラの視線を浴びてきた女優であるが、それを知っていても騙される (?) ような可憐さをうまく演じている。また、誰しもが多かれ少なかれ経験するであろう、恋愛の甘酸っぱさや、男女のすれ違い、確執、その反動の愛おしさといった要素をうまく散りばめて描いていて、嫌味がない。

また、1980年代を舞台にした点も、なかなかに面白い。登場人物が電話をかけるシーンのやたら多い映画だが、黒電話がプッシュホンにまではなるが、携帯電話にまでは到達しない。もちろんインターネットも存在しない。いや、コンピューターさえ、オフィスの中での共有物としてのみ存在しているのだ。今の若い人たちには、どのようにして人々が生活していたのか、想像すらできないに違いない。でもそういう時代に青春を過ごした人たちがいて、そういう人たちの様々な思いは、存外今の若者と大して違わないのだろうなと思う。場面場面に対応する歌詞を持つ当時の音楽が随所に使われていたのは、若干うるさい気がしないでもなかったし、その時代を知らない若者に対してはアピールできないとも思うが、時代のリアリティを描くという意味では、よい雰囲気を映画に与えていたような気がする。

まあそれにしても、人間、女と男とどちらが純情か。言うまでもありませんよねー。

by yokohama7474 | 2015-06-13 23:50 | 映画 | Comments(0)
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