2015年 08月 11日
ドイツ、バイロイト フランツ・リストの墓
西洋人の墓の場合は土葬も多いわけで、英語で遺体を意味する "Remains" なんていう粋な (?) 言葉もあるくらいだ。この言葉、なんともよい響きではないですか。できれば座右の銘にしたいくらいだ (もちろんウソです)。キリスト教の教義に則って、最後の審判の日まで肉体の残留物を取っておくという発想は、なかなか日本人にはないものだが、かつてこの世で天才的能力を発揮した人の墓の前に立つとき、その人の肉体は朽ち果てて土に帰っているにもかかわらず、その人を記憶するモニュメントとしての墓が、要するに人間代々の心の中の残留物、Remains として、肉体にはない新たな価値を持っていることを感じられるから素晴らしいのだ。
先般の記事で、作曲家フランツ・リストの墓がバイロイトにあると聞いたことを書いた。そこで、炎暑の中ホテルから歩いて、その墓地に行ってみたのである。場所は、市街地から西側、Ramada Hotel 近くの Erlanger Strasse に面した、Stadtfriedhof (市立霊園ということか)。フランツ・リスト博物館のオバチャンのアドバイスに従い、メインの入口ではなく、墓地の教会のすぐ横にある小さな入口から入り、すぐ左手を見ると、写真で見覚えのあるチャペルが。