2015年 10月 10日
御礼、お詫び、そして今回だけ感傷的なこと
その間、まさに私が出張に出たその日に、訪問者数が 3,000 を超えました。ブログ開設以来、最初の 1,000人まで 85日、次の 1,000人まで 24日、そしてさらに次の 1,000人までわずか 14日であったことになります。ご覧頂いて本当にありがとうございます。
さて、このブログは、私の趣味の事柄を徒然に書き綴っているので、あまり感傷的な話題にはそぐわないのですが、今日だけは感傷的に書いてしまいます。お気に召さない方もおられるでしょうから、その場合には飛ばして頂き、また次の記事にご期待下さい。
2015年10月 8日(木)は、わが家の愛犬、ルルの命日となりました。17歳と 8ヶ月の生涯でした。犬としては天寿をまっとうしたと思います。ルルはメスのビーグル。あのスヌーピーの犬種で、とにかくいたずら大好きで手のかかる猟犬です。垂れ耳で暴れん坊で、きかん気で、でも実は人間が大好きで。ビーグルの場合、飼った人でないと分からない愛着があると言います。手がかかるだけにいとおしい、そんな犬種です。
あれは 1998年。家人と二人で、犬でも飼おうということになり、犬を飼うならやんちゃなビーグルがいいよねと言ってペットショップに行ったのですが、売り物になっているビーグルは、どうもイメージにそぐわないおとなしい子ばかり。そんな中、まだ売り物になっていない後ろのガラスのショーケースから、ピョンピョン飛び跳ねる赤ん坊ビーグルが。その元気が気に入って、店の人の「まだ売り物になっていないんで」という言葉を無視して、試しにショーケースから出してもらうと、私の腕にすがりついて、セーターについていたボタンをガリガリかじり始めました。店の人も驚いて、「こんなことを誰にでもするわけじゃないので、相性がいいということですね」とのコメント。これがルルとの出会いでした。
本当は、犬を飼ったらカエサルという名前にしたかった。でもこれはオスの名前だからメスには使えない。幼くして家族になったこの犬の名前をどうしようと考えて、ルルにしたのですが、決して風邪薬の名前ではありません。これは、ベルクのオペラ「ルル」にもなっている、ヴェデキントの小説「地霊」「パンドラの箱」を原作とする無声映画、ゲオルク・ウィルヘルム・パプスト (私も以前ウィーンで墓参りしたことがある) の 1929年の作品、「パンドラの箱」の主演女優、ルイーズ・ブルックスに因むものなのです。
・・・その最初の出会いから、横浜 → ニューヨーク → ロンドン → 東京と、我々の転居に伴い、18年近い時間をともにすることになったわけです。思い出はそれこそ星の数こそあって、困ったことにその分の涙をそそるのですが、ウチに来てまもない頃 (生後 2ヶ月) の写真がこれ。既にして段ボールなどをバキバキに破壊しています。
https://www.muzikair.com/jp/player/track/83j23p-Stravinsky-Igor-Suites-No2-for-chamber-orchestra-III-Polka-V-Galop
思い出はきりがないので、延々書き連ねる気はなく、自分たちの心にしまっておきます。18年近い生涯で、最後まで歩くこともでき、目も耳も問題なく、人の言葉 (英語だって!!) が分かる犬でいてくれたことに、本当に感謝したいと思います。ここ 2ヶ月くらいでも、こんなに元気でしたよ。まあもちろん、年が年だけに、体は既に限界に来ていたのでしょうが、そんな顔ひとつしないあたり、コイツらしかったと思います。
ルルは今日、2015年10月10日朝、荼毘に付され、星になりました。今までありがとう。オマエと一緒にいられて、パパとママは本当に幸せだったし、オマエも幸せでいてくれたと思う。これから、当たり前にいるはずの存在がいなくなってしまったことの喪失感を免れることはできないけど、オマエが教えてくれた前向きな生き方を倣って、これからも生きて行くよ。さようなら。
10月 8日に本来なら行くはずだった、クリストフ・エッシェンバッハ指揮ウィーン・フィルの来日公演のチケットは、ルルの命日を刻んだ書類として、ずっと手元に取っておくことにします。