2016年 07月 16日
マスネ 作曲 歌劇「ウェルテル」(指揮 : アントニオ・パッパーノ / 演出 : ブノア・ジャコ) 2016年7月13日 ロンドン、Royal Opera House
コヴェントガーデンというかつて市場のあった場所に位置するロイヤル・オペラ・ハウスは、もちろん欧州でも指折りの名門歌劇場であるが、いかにもロンドンらしく、堂々たる大通りにではなく、せせこましい一方通行の道に沿って建っている。24年前に初めて現地に行ったときには、一体どれがオペラハウスかと探したものである (ちょっと言い過ぎか 笑)。
1894年 英国初演 (大失敗)
1979年 English National Operaとの共同プロダクション。アフルレート・クラウスのウェルテル、ミシェル・プラッソン指揮。
1980年 新演出。ホセ・カレーラスのウェルテル、フレテリカ・フォン・シュターデのシャルロット、コリン・デイヴィス指揮。
1983年 ジャコモ・アラガルのウェルテル、イヴォンヌ・ミントンのシャルロット、ジャック・デラコート指揮。
1987年 フランシスコ・アライサのウェルテル、アグネス・バルツァのシャルロット。
2004年 今回の演出。マルセロ・アルヴァレスのウェルテル、アントニオ・パッパーノ指揮。
2011年 ロランド・ビリャソンのウェルテル、アントニオ・パッパーノ指揮。
さて今回の主役は、イタリア人で最近の活躍が目覚ましいテノール歌手のヴィットリオ・グリゴーロ。
もうひとり心に残ったのは、シャルロットの妹ゾフィー役で、これも米国人、ソプラノのヘザー・インゲブレットソン。その明るさがオペラ全体の悲劇性を際立たせる、実は重要な役なのであるが、屈託なくもよく気の回る役柄を気持ちよく演じていた。