2016年 12月 29日
薮内佐斗司の彫刻 童々広場(府中市)、青松院(港区)、正蔵院(大田区)、武蔵野稲荷神社(練馬区)、稲毛神社、王禅寺(川崎市)、常泉寺(大和市)
* 童々広場 (どうどうひろば、東京都府中市寿町1-12)
これが藪内作品を見たいと思ったきっかけの公共彫刻群。片側1車線の車道の脇にある三角形の土地に置かれている (1996年制作)。決して広場というほど広い場所ではなく、子供たちが遊ぶような場所とも思われないが、街の人たちにとってはよい憩いの場になるのはないだろうか。もともとは桜通り広場公園というらしい。
次にご紹介するのは、都心でまとまった数の藪内彫刻を見ようとすると最適の場所である。愛宕(あたご)にある青松寺。私も以前から都心をタクシーで移動するときになんとなく気になっている場所であったのだが、まさかこんなに面白い場所とは知らなかった。もともとこの寺は1476年、つまり江戸開幕前の室町時代に、太田道灌によって麹町に開創された。その後家康によって現在地に移築され、江戸時代は禅宗の一派である曹洞宗の一大道場であったらしい。現在では愛宕グリーンヒルズのMORIタワーとフォレストタワーが左右に立っていて、なかなかに鮮やかなコントラストをなしている。
ここは羽田空港からほど近い場所にあり、すぐ隣には羽田神社という神社がある。街道沿いということで古くから賑わった場所であるらしい。
これはまた少し毛色の変わった藪内作品であり、ファンならば是非見ておきたい場所だ。西武池袋線の江古田駅の近くの稲荷神社の門と拝殿の彫刻を、藪内が手掛けているのだ(2010年制作)。写真で見て、なんと立派な建物だろうと思って現地を訪ねると、神社の敷地自体はごくごく狭いものであることに驚いた。だがそのこじんまりした場所を彩る装飾の素晴らしさには、感嘆の声を上げざるを得ない。
* 稲毛神社 (いなげじんじゃ、神奈川県川崎市川崎区宮本本町7-7)
東京の北部から一気に南下して、ここは川崎市。我が家からは多摩川を隔てた反対側であるが、この川崎にもいくつか藪内の彫刻があるのである。まずは、第一京浜沿いの稲毛神社。この神社には樹齢一千年と言われる大イチョウのご神木があり、その創建は気が遠くなるほど昔なのである。
* 王禅寺 (神奈川県川崎市麻生区王禅寺940)
こちらは同じ川崎市と言っても随分離れている。山深い雰囲気のお寺である。
ここは江戸開幕前の1588年の開創と伝わる古い寺。入り口はこのような情緒あふれる雰囲気なのである。