2017年 01月 07日
赤瀬川 原平著 : 妄想科学小説
今私の手元には、「芸術新潮」誌の2015年 2月号がある。特集名は、「超芸術家 赤瀬川原平の全宇宙」。以前全文を読んだが、改めてパラパラ見返すだけでも面白い。いわゆる「美術」という語の頭に「現代」がついてしまうと、普通は途端に理屈っぽくなるのであるが、赤瀬川のような人が手掛けた現代美術は、同時代性を超えて古びることで、却って今後も長い生命を保つのではないだろうか。大いなる逆説。
そんなわけで、赤瀬川の感性に久しぶりに出会うことができ、私はこの本を楽しく読むことができたのである。過ぎ去りし昭和の感覚にしばし戻って、文化的な刺激を得たい方にはお薦めである。