2017年 06月 02日
アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国 東京ステーションギャラリー
ではこのヴェルフリという画家、どのような人であったのか。スイスのドイツ語圏に 1864年に生まれたという点に注目しよう。もちろん我々は、同じ年にアルプス近辺で生まれた大芸術家を知っている。作曲家のリヒャルト・シュトラウスだ。なるほど、音楽で言えば後期ロマン派であり、ヨーロッパ先進諸国の間で台頭した帝国主義が、20世紀に入ってからの世界大戦に直結する、そんな時代の人なのである。彼の肖像写真を 2点。ピカソかとおぼしき風貌と、チロルの民族衣装 (?) の可愛らしさのギャップが既にしてブリュットなのだ (笑)。