川沿いのラプソディ


川沿いの住まいから、音楽、美術、映画その他文化一般を語りつくします。
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メモ帳

トランスフォーマー 最後の騎士王 (マイケル・ベイ監督 / 原題 : Transformers : The Last Knight)

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ハリウッドの人気シリーズ、普段は車の姿をしたロボット生命体が活躍する「トランスフォーマー」の第 5弾。そういえば、先にシリーズ最新作についての記事を書いた「パイレーツ・オブ・カリビアン」も今回が 5作目。そのシリーズの開始は 2003年、対するこの「トランスフォーマー」シリーズの最初は 2007年。若干こちらの方がシリーズ化のペースが早いのであるが、奇妙な一致があって、あちらの最新作の日本での副題は「最後の海賊」、そしてこちらは「最後の騎士王」。どうしてこうも「最後」ばやりなのか (笑)。だが、あちらの方は原題は全く違うものであったのに対し、こちらの邦題は原題の直訳。さて、一体何が最後であるのか。

手っ取り早く話を進めると、私はこの映画を評して、「まるで夢のようだ」と言いたい。これは、まさに夢のような大傑作という意味では決してなく、なんだか知らないが切羽詰まった事態が次から次へと現れ、その間の脈絡もなければ、落としどころも見えないという、そういう点で、シュールなまでの荒唐無稽さを持っているという意味である。夢の中では、細部にリアリティがありながらも、つじつまの合わない部分のめくるめくパッチワークを体験することになるが、この映画の印象はまさにそのまま。いや実際、これは一体どんな映画だろう。ストーリーが子供向けかと言えばさにあらず。こんなものは刺激が強すぎて、とても子供たちには見せられない。では大人が楽しめるストーリーかと言えば、それも当たっていない。それから、過去の作品を見ていることが前提になっていて、その流れを知らない人には全く分からない内容なのだ。いや、実際には私は過去 4作のうち第 2作以外は見ているはずだが、現代人の常として、その内容をいちいち覚えているほど暇ではない。オプティマス・プライムとバンブルビーの関係もよく知らないし、ましてや、オートロック、じゃないや、オートボットとか、デカメロン、じゃないや、メガトロンとか、レデンプション、じゃないや、デセプションとか、サイババ、じゃないや、サイバトロンと言われても、なんのことやらさっぱりだ。だから勢い、信じられないほど鮮やかな CG に目を見張るところで、この映画のストーリーを追うのをやめてしまうこととなる。その一方で、映画の中では何やら、「あと 3日で人類は滅亡します」などと冷静に語っている学者 (?) はいるし、宇宙船に乗っている創造主なるものも登場するし、ロボット生命体とはおよそ縁がないと思われるアーサー王の聖剣エクスカリバーや、魔法使いマーリンの杖がどうしたという話題も出て来るし、世界がかつてひとつであったときの名称であるパンゲア大陸やストーンヘンジも出て来る。かと思うとキューバのシーンではチェ・ゲバラの大きな肖像画も出て来るし、回想シーンでナチも出て来る。いやもう、その食い合わせの悪さに気持ちが悪くなるほどだ。これがオプティマス・プライム。果たして彼は善玉なのか悪玉なのか。ネタバレはできないが、その立場は、おいおいと言いたくなるほど些細なきっかけで変わるのである。地球の命運がかかっているのに、全く人騒がせな (笑)。
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対するこちらがバンブルビー。未だ若くてやんちゃ者という設定のようだが、少なくとも顔を見る限りは、若いのかどうか判然としない (笑)。
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繰り返しだが、その CG の凄まじいこと。これまでのシリーズでもそうであったが、さらに進化しており、その点には見る価値はあろう。いや、それだけではなく、生身の役者もなかなか豪華である。まずは、前作「ロスト・エイジ」に続いての出演であるマーク・ウォールバーグ。最近ネット記事で見たのだが、昨年の彼の年収は日本円にして 75億円で、ハリウッド No. 1 であったそうだ。演じている役柄には地味なものが多いので、ちょっと意外な感じがする。だが、よい役者であることは間違いない。ここでは筋肉ムキムキの腕を見せているし、何より、実は大変に重要な人物であることが劇中で判明する。だがその割には、大団円ではそれほど活躍しないのが奇異である。すごい武器を手にしているはずなのに、一体何をしているのか、と言いたくなること必至である (笑)。あ、そのすごい武器とは、この写真 (上のバンブルビーの写真と同じポーズですな) の銃程度のものではないのだ。それはそれはすごい武器なのだ。それなのに・・・。
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それから、驚きの出演は、アンソニー・ホプキンス。英国で最高の名誉であるサーの称号を持つ、当年 79歳の稀代の名優が、なんとも楽しそうに謎の貴族を演じている。
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それから、私の好きな (昔のコーエン兄弟作品によって) ジョン・タトゥーロが出ているのも嬉しい。もっとも、調べてみると、このシリーズには 1作目から 3作目まで出演していたらしい。相変わらずいい味出していますな。
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まあこのように、ごった煮もいいところの、ある意味のトンデモ映画であり、まさに夢の世界を漂うような作品なのである。このシリーズを継続して監督して来ているマイケル・ベイは、ほかにも多くの大作を手掛けてきている実績を誇るが、こんなシュールな映画を撮ってしまうと、これから先どうなるのだろうと思わないでもない。ま、余計なお世話ですがね。
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さて、それでは映画の本質からちょっと離れて、いつもの脱線としゃれこもう。劇中で私がそれと判別できたロケ地を 3ヶ所ご紹介したい。まずひとつ、戦時中のナチの司令部が置かれているという設定の豪奢な建物。以前もこのブログでご紹介したことがあるが、これは世界遺産ブレナム宮殿だ。あのウィンストン・チャーチルの生まれた場所としても知られる。面白いのは、このシーンの前のシーンで、アンソニー・ホプキンス演じる貴族の館の中の部屋に、チャーチルの肖像写真が置いてあることだ。戦争中ナチとの戦いに心血を注いだチャーチルが、自分の生まれた家がナチの司令部になっているという設定を知ったら、驚きと怒りのあまり、墓から甦るのではないかとすら思われる。こんなシーンである。
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ふたつめは、これはほんのワンシーンしか出ないのであるが、女性学者ヴィヴィアン (演じるのはローラ・ハドック) の実家という設定のシーン。これはロンドンのホルボーン近くにある、ジョン・ソーン美術館。建築家サー・ジョン・ソーン (1753 - 1837) の邸宅をそのまま美術館としているもので、決して広いとは言えない邸内は、かつての主が収集した古代の美術品でいっぱいなのである。ロンドンにおいては、画家フレデリック・レイトンの邸宅であるレイトン・ハウスと並ぶ、個人の邸宅として面白い場所だと思う。私の尊敬する建築家磯崎新がいろいろな建築を縦横に語り、篠山紀信の美しい写真が掲載された「磯崎新の建築談義」の第 11巻で紹介されているので、強くお薦めしておこう。
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そして最後。ジョン・タトゥーロの連絡を受けたアンソニー・ホプキンスが、ある大事なものを探しに行く場所だ。これは、アイルランドの首都ダブリンにあるトリニティ・カレッジの図書館である。この大学の歴史は古く、あの「ガリバー旅行記」を書いたジョナサン・スウィフトがここで教鞭を取っていたことと、アイルランドの至宝で、8世紀に制作された聖書の写本である「ケルズの書」を所蔵していることで知られる。ダブリンなどなじみのない方も多かろうし、小さな街で娯楽も少ないのだが、このトリニティ・カレッジだけは見に行く価値がある。以下の 3枚は、私がそのトリニティ・カレッジの図書館を訪れたときにスマホで撮影した写真。こんな場所は世界にもそうそうあるものではなく、まさに知の殿堂。圧巻である。
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ええっと、何の記事でしたっけ。あ、そうそう、「トランスフォーマー」でしたね (笑)。上記の通り、CG 満載の夢のような映画であるが、それだけ関与している人の数は膨大であるはず。さぞかしエンドタイトルが長いだろうと思いきや、なんとなんと、最近のハリウッド映画の平均よりも随分短いのだ。その理由は、普通ならスクロールして行くはずの画面が、静止画像で 0.何秒ごとというペースでどんどん切り替わって進んで行ってしまうからだ!! 組合との合意で、関わった人すべての名を出さないといけないルールになっていると理解するが、これはなんともトリッキーな方法だ。これだけ早く画面が進んでしまうと、その内容を見ることはほとんどできない。いわばルールを骨抜きにした格好だが、それでよいのだろうか。これまた余計な心配でありながら、あのスピルバーグを製作総指揮のひとりに頂く作品で、こんなことをやってもよいのかと、ちょっと思ってしまいました。それとも、あれも夢だったのだろうか・・・。

by yokohama7474 | 2017-08-28 23:47 | 映画 | Comments(0)
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