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ワンダーウーマン (パティ・ジェンキンス監督 / 原題 : Wonder Woman)

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昨年このブログでも採り上げ、散々にけなした映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」において、突然登場した謎のスーパー美女。どうやら名前をワンダーウーマンというらしいことはその時に知ったのだが、この役を演じていたガル・ガドットという女優が単独の主人公を演じる映画がこれだ。バットマン、スーパーマンと同じく、DC 社のアメリカン・コミックに登場するキャラクターである。現時点ではマーヴェルのアベンジャー・シリーズには遅れを取っているが、DC もヒーロー集団であるジャスティス・リーグを主人公としたシリーズ映画を今後制作して行くようである。この「ワンダーウーマン」のあとには、やはりベン・アフレックがバットマンを演じる「ジャスティス・リーグ」という映画が控えていて、既に劇場に予告編もかかっている。

そもそもこのワンダーウーマンというキャラクターは、最近になって登場してきたものではなく、DC のアメコミの世界では非常に古く、1941年に初登場しているという。私が知らなかっただけで、既に 75年以上の歴史があるばかりか、DC のキャラクターとしては、バットマン、スーパーマンと並ぶ 3大重要キャラクターであるというのだ。それはまたお見それしました。
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そもそも私がこのキャラクターを知らなかったのは、バットマンやスーパーマンと違って、映画化されていなかったことによる。アニメ映画は制作されたことがあるが、実写は今回が初めてという。コミックの世界でそんなに人気者なら、もっと早く映画化されてもよかったように思うが、そもそも女性のヒーロー自体が数が少ないので、現代に至ってようやく強い女性のキャラクターが抵抗なく受け入れられるようになったということなのだろうか。

設定は、女性だけの島に育ったダイアナという女性が、その島の習慣に従って日々武道の鍛錬に明け暮れていたところ、ある日海に流れついた男と出会い、その男とともに悪い奴らをやっつけるというもの。予告編を見ていたときには、シックな格好をして男をなぎ倒すシーンしか出てこなかったので、彼女の敵がいかなる存在であったのかが判然としなかった。実際に見てみると、ここでもナチスが敵なのである。最近だけでも、ナチス・ドイツが悪として登場する映画を何本見ていることか。現代を舞台にした巨悪を描くと、時に救いのない内容になってしまうが、ナチスの場合には、やったことは誰がどう見ても絶対的に悪く、しかも史実として最後は敗北しているわけであるから、悪として描きやすいという面はあるのだろう。ともあれこのワンダーウーマン、いわゆるアマゾネスの一員、いやその中でも特別な存在なのである。そんな役を演じる女優、1985年生まれでイスラエル出身のガル・ガドットが、なんと言っても素晴らしい。もともとモデルで、かつて「世界で最も美しい顔 100人」の第 2位に選ばれたこともあるという。また、彼女はこれまで「ワイルド・スピード」シリーズに出ているらしいが、私は残念ながら一本も見たことがないので、このワンダーウーマンの役で初めてお目にかかるのである。
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彼女がこの役を演じていることに好感を持てるのは、顔やスタイルがよいということだけでない。それは、過度にセクシーすぎず、優しさや知的なものも感じさせるピュアな雰囲気を、常に持っているからだろう。もちろん、CG に大いに助けられているとはいえ、派手なアクションもスマートに決めている。これは、できそうでなかなかできない演技だと思う。上のポスターにある通り、「美しくぶっ飛ばす」ワンダーウーマンは、見ていてスカッとすること受け合いだ。ストーリー展開は明快で、敵もはっきりしている・・・はず。もちろん、意外性も仕組まれているので、誰もが面白く見ることができるだろう、

相手役は私の好きな俳優、クリス・パインであるが、正直なところ、この映画ではガル・ガドットに食われてしまっている感がある。英国のスパイ活動に従事する米国人の役なのだが、「スタートレック」シリーズや「エージェント : ライアン」に比べると、役柄自体が少し優等生的であり、印象が薄いことは否めない。
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それから、今や英国を代表する俳優であるデヴィッド・シューリスが凄い。何がどう凄いかは書けないが、私はここでの彼の演技に敬服する!!
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この映画は世界で興行成績が好調であるようだが、監督はパティ・ジェンキンスという女流で、今回が長編映画 2作目。1作目は、あのシャリーズ・セロンが醜い殺人鬼を演じた「モンスター」(2003年) であった。なかなかの手腕であると思うし、2年後に公開予定のこの「ワンダーウーマン」の次回作の監督にも決定しているようだ。
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まぁ所詮はアメコミの映画化であり、荒唐無稽な設定も多々あるのだが、戦時中から現代まで、年を取らないワンダーウーマンの活躍は、ちょっと新しいタイプの映像体験を可能にしてくれる。最後には敵と一騎打ちになり、新たな武器もなく、気合と根性だけでそれを乗り切るワンダーウーマンであるが (笑)、まあよいではないか。このようなご時世、単純に映画に入り込むことは、本当に幸せな体験なのであると思う。

by yokohama7474 | 2017-09-23 00:58 | 音楽 (Live)