本堂の中では時あたかも、奥さんが妊娠しているとおぼしい若者夫婦が祈祷を受けていた。このような関東の奥地で、未だ篤い信仰を集める古寺が存在することを知って、感動を禁じえようか。日本の古寺の情緒を知るには、何も奈良や京都だけではない。実は関東地方にも、汲めどもつきぬ歴史の蓄積が存在しているのである。また、今回ご紹介できなかった古寺が、この地域にほかにもいくつも存在するのである。もっとも私はこの後、水戸でコンサートを聴くまでの間、今度は海沿いまで足を延ばして、大洗水族館を楽しんだ。これは家人との交渉の産物であったのだが (今年の 7月以来我が家ではおなじみの、即身仏 vs 水族館)、まあ確かにこのようにのんびり泳ぐマンボウを見ていると、心がゆったりしましたわい。茨城県、恐るべし。