川沿いのラプソディ


川沿いの住まいから、音楽、美術、映画その他文化一般を語りつくします。
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ジオストーム (ディーン・デヴリン監督 / 原題 : Geostorm)

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世界では今や、人間の営みが地球の環境を不可逆的に変えてしまい、恐ろしい異常気象の原因になっているということが、あらゆる場面で指摘されている。とりわけ、温暖化という現象に対する警鐘は、世界中で鳴らされていて、個々人がそのような意識を持たないと、本当に地球は危ないと言われている。この話は極めてスケールが大きいので、危機意識を持つべき個々人のレヴェルでは、詳細についての検証のしようもないため、とりあえずは、「お前のせいで地球が滅びたじゃないか」と言われないよう、微力ながら環境保全に貢献したいと思うのが人の常である。もちろん、そういう意識を持っていない国々もあって、いわば自国のエゴと世界的視野での責任ある行動との間のせめぎあいがあちこちで起こっているというのが実情であろう。私個人は、以前読んだ本の中に、温暖化の原因は特定できないという内容のものもあったし、環境保全を訴える団体の主張にも我田引水の部分があるという非難を聞いたこともある。一体、環境破壊において何が真実であるのかに対して、理解が足りていないのである。なので、あまりパニックにならない程度に、地球環境の保全にわずかながら貢献したいと思っているのである。もちろん動物好きとしては、北極におけるこんな悲惨な光景には心を痛めている。
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さてこの映画は、そんな危機に瀕した地球を救うため、全世界の天候をコントロールできる衛星システムが構築されるという設定になっている。だが、予告編から既に明らかになったことには、そのシステムが狂って、地球上のあちこちで極端な異常気象を巻き起こす。さて、人間はそれを止められるか。そういう内容である。なるほど、以前からハリウッド映画にある、いわゆるディザスター映画と言われるジャンルに属するものである。きっと人智の限界が試されて、米国がそれを見事克服というストーリーなのだろうなと思いつつ、最新の CG による迫力の映像が見たくて劇場に足を運んだのである。これが本作に登場する天候コントロールシステム、「ダッチボーイ」。
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ところが、実際にこの映画を見た感想は若干事前の予想とは違っていて、私の思うところ、これはディザスター映画というよりもむしろ、ヒューマンドラマである。つまり、ここに登場する人間たちの間には様々な思いが交錯し、悪には悪の、善には善のロジックが存在していて、そのせめぎあいがドラマを生んでいる。天候コントロールシステムは、あくまでもそのヒューマンドラマを作る上での壮大な舞台設定であったのだ。なので私はこの映画をなかなかの好感度をもって見ることとなった。この大掛かりな設定に人間ドラマを持ち込むことは、実は結構難しいのではないだろうか。なにせ、ここでの世界では、こんなことや、
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あるいはこんなことや、
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また、こんなことまで起こってしまうのであるから。
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豆粒のように非力な人間たちを容赦なく飲み込む、こんな凄まじい災厄が世界各地で起こってしまっているのに、人間ドラマなどどうやって生まれようか (笑)。だが実際この映画は、この大掛かりな設定の中で、なかなか面白い人間ドラマを描くことに成功しているのである。展開には意外性はもちろんあるが、全体像が見えてしまうと、それなりに単純な内容であることが分かる。その過程においては、このような地球規模の災害に加えて、肉弾戦あり、銃撃戦あり、カーチェイスありで、しかも若いカップルの冒険もしっかり描かれている。そしてそこには時折さりげないユーモアもあって、なかなかよくできた脚本なのである。そう思えるのは、役者がよいからでもあろう。主役ジェイク・ローソンを演じるジェラルド・バトラーは、映画版「オペラ座の怪人」でファントム役を演じ、「300 <スリーハンドレッド>」で名を上げた人。衛星システムを作り上げた天才的科学者でありながら、反骨精神に富んでおり、一見とっつきにくいが、実は男らしくまた他人への思いやりに満ちた役柄である。なかなかそんな人、いませんがね (笑)。
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その弟で米国政府の有能な官吏、マックス・ローソンを演じるジム・スタージェスもよい。この苗字からして、もしかすると往年の名監督ジョン・スタージェスと関係があるのかと思ったが、調べてもそのような情報は出て来なかった。どこかで見たような顔で、確かに私が過去に見た映画の何本か (「クラウドアトラス」「鑑定士と顔のない依頼人」「ハイネケン 誘拐の代償」など) に出演しているようだが、あまり記憶にない。本作でその存在が広く認識されることになるだろう。
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それから、この人を忘れるわけにはいかない。アメリカ合衆国大統領を演じるアンディ・ガルシア。既に 60歳を超え、新しい方の「ゴーストバスターズ」におけるニューヨーク市長役といい、本作といい、貫禄ある役が似合うようになってきた。これは、女性シークレットサービスを演じて、これまた好感の持てるアビー・コーニッシュと。
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もうひとり、副大統領役のエド・ハリスも、相変わらず渋い味を出していて、いつも何かわけがありそうだ (笑)。
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本作の監督ディーン・デヴリンは、これが長編デビュー作で、製作・脚本も自ら手掛けている。だが彼はもともと役者でもあり、数々の映画の製作・脚本も手掛けている才人。特にローランド・エメリッヒ作品への関与が多く、「スターゲイト」「インデペンデンス・デイ」「Godzilla」「インデペンデンス・デイ : リサージェンス」などの脚本を書いている。なるほど、でもここで名前を挙げたどの作品のどれより、本作の脚本は出来がよいのでは?
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こんな作品であるが、その内容は単純と上で書いたものの、現代社会の構図を浮き彫りにした面もあって、興味深い。環境問題においては、現政権下の米国はかなり自己中心的な態度を見せており、一方中国は、急速な経済発展の代償として深刻な環境問題を抱えながら、最近ではその点への意識が高まっているように思われる。本作においては、地球の異常現象に対する解決策はこの 2国が主導しているという設定であるが、米国はある思惑を抱いていて、それがドラマの発端なのである。そして、よくあるディザスター映画のように、世界の危機を米国が救うのではなく、正義感と勇気を持った個々人の集合体が救うという設定は、なかなか意味深に思われるのである。そして、衛星をコントロールする宇宙ステーションには 17ヶ国から人が派遣されているという設定。正直なところ私は、その 17ヶ国に日本が入っていなかったらどうしようとドキドキしていたが、宇宙ステーションの側面にずらりと並んだ国旗の中に日の丸を発見して、ひと安心 (笑)。多くの自然災害の被害を受けてきた日本は、地球の危機には一役買うべき立場にあると思いますよ。ただ、国の方針がどうであれ、環境保全には個々人の高い意識が必要だということは、この映画から認識しておこう。

by yokohama7474 | 2018-03-01 00:58 | 映画 | Comments(2)
Commented at 2018-03-02 23:39
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yokohama7474 at 2018-03-03 13:37
> カギコメさん
エド・ハリス、顔に人生が出ていますよね。私はジャクソン・ポロックを演じた彼が好きでした。
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