川沿いのラプソディ


川沿いの住まいから、音楽、美術、映画その他文化一般を語りつくします。
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パシフィック・リム : アップライジング (スティーヴン・S・デナイト監督 / 原題 : Pacific Rim : Uprising)

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日本の生んだ怪獣ものというジャンルは、いわゆる空想特撮映画という分野をなし、世界的に見てもかなりの影響力を持っているように見受けられる。2013年に公開された「パシフィック・リム」はまさに怪獣 (英語で "Kaiju"。これは集合名詞なのか、映画のセリフでも複数形には決してならない) が世界を襲うという内容の映画であり、それに対して、人類が創り出した巨大ロボットが立ち向かうという設定。幼少の頃よりの怪獣好きである私は、もちろんその前作を見たが、映画としての出来にはそれほど満足しなかった記憶がある。そしてここに、2作目が登場した。前作から 10年を経た世界に、再び怪獣たちが襲い掛かる。なかなか面白そうな設定である。そして実際、細部にまでこだわった CG 満載の映像の中、サスペンス的要素や、人類を守るための戦争という大義の厳しさ、また、若者の成長というテーマも盛り込んだ、欲張りな内容になっている。予告編で展開は明らかであったが、内容も大まか予想通りであり、その見事な CG を楽しめるという点でも、見ごたえ充分だ。これは、イェーガーと呼ばれるロボットたちの勢揃いシーン。
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対する怪獣であるが、例えばライジンと名付けられた奴はこれだ。因みにこの写真、映画の中の映像ではなく、昔懐かしいバンダイのソフビなのである。ちょっと欲しいかも (笑)。
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ハリウッド映画に出て来る怪獣を見るたび、例えばゴジラもそうだが、その造形感覚の日本人との違いを思う。最近の傾向は知らないが、伝統的 (?) な日本の怪獣はもう少し明確なラインを持ち、造形もより単純で、何かの動物とか恐竜とか、既知のイメージを流用していることが多い。だがハリウッドの怪獣は、一体どこが顔やら手やら分からないような、ちょっとグチャッとしたグロテスクな造形で、これはいわば悪霊のようなイメージである。この違いはもしかすると文化史的に解明できるのかもしれないが、ここでは深入りするのはやめておこう。ともあれ、怪獣から世界を守るべく立ち上がる人類の側では、かつての英雄の息子が、過去のトラウマを克服して大活躍をするのである。演じるのは最近絶好調、「スターウォーズ」シリーズや「ザ・サークル」「デトロイト」などで、思慮深い人物を描いているジョン・ボイエガ。デンゼル・ワシントン 2世の声もむべなるかな。よい俳優である。
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彼のライヴァル役を演じるのは、スコット・イーストウッド。その名前で明らかな通り、クリント・イーストウッドの息子である。これまでにも結構な数の映画に出ていて、私もそのうちのいくつかを見ているはずだが、あまり記憶にない。だがここでは、その渋い顔立ちがなかなかよく決まっている。
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そうしてこの二人、確執を乗り越えて、最後にはこんな風に共同でロボットを動かすことになるのだ。男同士の友情。
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まあこういったところはあまり深く考えずに楽しめるし、ストーリー展開もなかなかよくできている。菊池凛子を含め、前作にも同じ役で登場していた役者たちも何人かいるが、フレッシュな顔ぶれもいる。ひとりは、最近のハリウッドへの中国資本の進出を反映し、よく顔を見る (このブログでも「グレートウォール」「キングコング : 髑髏島の巨神」の記事でも触れた) ジン・ティエン。以前の記事で、顔だけはきれいだと酷評した記憶があるが (笑)、ここではまぁ、演技が上達しているか否かはさておき、なかなか頑張ってはいる。
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それから、この俳優は正直、あまり記憶にないのだが、今後への期待を込めて紹介したのが、新田真剣佑 (あらた まっけんゆう)。カリフォルニア生まれとのことだから日系二世かと思いきや、なんと、千葉真一の息子だという。今劇場で予告編がかかっている「OVER DRIVE」における精悍なレーサー役 (「攻めなきゃ勝てねぇから。怖いと思った瞬間、(指を額の横で弾けるように突き上げて) 負けなんだよ」というセリフが印象的) もなかなかよい。
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こんな多彩な俳優陣が繰り広げるストーリーは、上述の通り、単純に楽しめるし、それでよいと思う。だが、あえて 2点、これはどうかと思った事柄を指摘しておこう。ひとつは、ロボットの操縦について。巨大なロボットの動作が、中に入っている人間の動作とシンクロするというのは、日本にも「マジンガーZ」という先駆的な作品があり、イメージとしては面白いが、だが現実世界では、この巨大ロボット (身長 80m?) がこんなに激しい動きをすると、中にいる人間はミンチ状態になってしまうだろう (笑)。因みにこの発想は、随分以前に涙を流すほど笑いながら読んだ柳田理科雄の「空想科学読本」という愉快な本の中の、マジンガーZ を操縦する兜甲児がどうなるかという分析からきている。もし幼少時のアニメヒーローの設定がいかにありえないかについて知りたい方には、この本は強くお薦めです。もう 1点は、こんな圧倒的にデカくて強い怪獣を退治する方法。
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ここでは実に大胆な方法が取られるのだが、これはあまりにもリスクが高すぎないだろうか。成功の確率は限りなく小さく、もし失敗すれば、何もかもがご破算だ。企業の投資案件なら、こんなリスクの高い案は絶対に承認されないだろう (笑)。それから、一点忘れていたが、この作品のバトルの舞台になる場所は、どこだろう。冒頭に掲げたチラシ以外のパターンのチラシはこれだ。
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おっと、ここには東京スカイツリーが写っているではないか。そう思ってよく見ると、冒頭に掲げたチラシにも、東京タワーが見える。そう、この作品の戦いの舞台は東京なのである。最近海外からの観光客にも人気のある東京であるゆえ、ここで派手に壊される東京の建物の細部に興味を抱く海外の映画ファンも、いるかもしれない。尚、前作の監督は、先般「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞を獲得したギレルモ・デル・トロであったが、彼は今回は製作に回り、監督を任されたのは、これが長編デビューになるスティーヴン・S・デナイト。まぁ、彼デナイトできない仕上がりかというと、そうでもないかもしれないが、CG に食われないドラマを、きっちり描けていたと思う。これがデナイトさん。こらこら、ジプシー・アヴェンジャー対ライジンか。お子ちゃまだなぁ (笑)。
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この種の映画にマニアックにのめり込む趣味は私にはないものの、しばし童心に帰るという意味では、よい気分転換になりました。

by yokohama7474 | 2018-05-24 00:46 | 映画 | Comments(2)
Commented by 吉村 at 2018-05-24 21:14 x
私はパート1のファンだったので、米国における酷評をかえりみず、本作を観たのですが、大変落胆しました。デルトロ監督には感じた怪獣映画へのリスペクトを本作では全く感じませんでした。一言で言ってコンサマトリーな作品で終わってしまい、これでは続編も出来ないと思います。東京と言いながら作中には全く特徴的なものもなく(一作目の香港の作り込みとの落差!)、富士山をめぐるプロットのいい加減さに絶句しました。ここ1年の最悪作品でした。ready player oneの偉大さがせつないくらい感じられます。
Commented by yokohama7474 at 2018-05-24 22:36
> 吉村さん
なるほど、興味深いコメントありがとうございます。続編は、もしかして上海あたりが舞台ということはありませんですかね (笑)。ただ、確かに「レディ・プレイヤー 1」とは比較すべくもありません。コンサートの記事の合間を縫って、また映画の記事も書きますので、またコメントを頂ければ幸いです。
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