川沿いのラプソディ


川沿いの住まいから、音楽、美術、映画その他文化一般を語りつくします。
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メモ帳

千葉市 加曾利貝塚

千葉市にある加曾利貝塚 (かそりかいづか) は、全国の貝塚の中でも最も有名なものではないだろうか。それもそのはず、貝塚としては世界最大規模で、特別史跡に指定されているのである。
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いや、ちょっと待て。今自分で「貝塚としては世界最大規模」と書いた。貝塚って、日本以外にもあるわけですな。実は貝塚の研究は 19世紀後半にデンマークで始まったということだから、日本独自の縄文時代だけのものというわけではないようだ。そうか、そういえば、日本の考古学発祥の地と言われる大森貝塚は、1877年に米国人エドワード・モースによって発見されている。横浜から新橋に向かう途中、モースが地層の中で目にした貝殻の堆積がそれだったわけだから (今ではその場所がどこだったかについては、品川区と大田区の間にちょっとした論争があるようだが)、決して日本独自の遺跡ではなかったわけだ。ともあれこの加曾利貝塚、長年行きたいと思っていたのだが、これも前回の記事に続いての、今年の GW の安・近・短の旅のひとつ。千葉市美術館に面白い展覧会を見に行って (その記事は追ってアップ予定)、その途中に立ち寄ったもの。実際に行ってみて分かったことには、この場所は堂々たる縄文遺跡であって、ここにあるのは決して貝塚だけではない。これだけ歴史的に貴重な場所なのであるから、「貝塚」などと謙譲の美徳を発揮している段階から早く脱して、「加曾利縄文遺跡」と名前を換えるべきである。なにせこの遺跡の発見は、大森貝塚に遅れること僅かに 10年、1887年という驚くべき早さであったのだから。これが遺跡の全体図である。
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私たちがここを訪れたときには、何やら縄文祭りのようなものが開催中で、臨時駐車場が開かれるほどの大混雑。それは大変結構なことであると思ったのだが、私の個人的意見では、この場所が本当に歴史好きに広く認知されるためには、施設もすべて新しくしないと。例えばこれは、貝塚の北側の断面を見るために作られた建造物だが、何やら古びてはいないか。それもそのはず、1968年から公開しているというから、今年でちょうど 50年。
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中に入ると、確かに夥しい貝の蓄積があり、発掘時そのままの雰囲気が圧巻なのである。
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因みにここには、南貝塚もある。高台にあるこの場所は、縄文の昔から多くの人々が暮らしていた場所であるようだ。
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そして、上述の通りここは、ただ「貝塚」と名乗るだけではもったいない規模の遺跡なのであるが、ちょうど昼時。ちょっくら腹が減ったので、縄文人にあやかってアサリでも食ってみるかと思い立った。あれ、ハマグリだったかな。ともあれ、うまかったー (笑)。
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ここにはまた、貝塚の博物館というものがある。そこに辿り着くと、何やら着ぐるみのキャラクターが。これはカソリーヌと言って、2014年に制定された、ここの公式キャラクターなのである。なるほど、「加曾利犬」か。なかなかの人気である。
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この博物館もかなり古いもので、開館は 1966年。うーん、できればこれは千葉市が資金を出して、最新の施設に建て替えるべきであろう。なぜなら、ここ加曾利貝塚からの出土品を数多く収めたこの博物館は、見ごたえ充分であるからだ。例えばこれは、この遺跡で発掘された遺品の中で最も精巧に作られたもので、耳飾りである。ほかの地域から持ち込まれたものという説もあるという。
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この遺跡で見つかった装身具は、この写真に多く掲載されている。なんとオシャレなのだろう!!
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この博物館のよいところは、ボランティアの案内人たちが展示品について解説してくれること。この遺跡は、ただ単に貝の堆積が発掘されているわけではなく、このような土偶や土器の数々も出ているのである。
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そして再び、装身具である。想像上の復元も。えっ、肩掛けのポーチまでしていたの???
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そしてさらには、人骨から犬の骨まで。これは明らかに埋葬である。当時の人々には既に、死というものに対する畏怖の念があったということだろうか。あ、それから、この犬の骨は、カソリーヌのキャラクター設定のもとになっているのであろうか (笑)。
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そしてここからの出土品で判明している古代人たちの食材のうち、海産物がこちら。うーん、リッチな食生活である。
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博物館を出て、遺跡の中を散策すると、おっと出ました。縄文弓矢。中にはコスプレで、すっかり縄文人になりきっている子も (笑)。
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そして、復元された縄文人の住居。その中では、やはりボランティアの人が、復元された古代のかまどについて説明していた。
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興味深いものはまだまだあって、これは古代人の住居跡。貝の堆積の下の層から発掘されたらしく、重なり合った穴から、ここで縄文人が何世代にも亘って暮らし、何度も家を建て替えていることが分かるらしい。そして、それこそ火を焚いたかまどの跡もある。
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このように見ごたえ充分な加曾利貝塚であるが、1960年代には企業がこの土地を買収して一部を破壊。それを機に保存を求める運動が活発化し、その結果、奇跡的にこの遺跡は残されたという。ここでは過去に 13度に亘る発掘調査がなされているが、これまでに調査されたのは、遺跡全体のわずか 7%であるとのこと。そして昨年 2017年には、45年ぶりに新規の発掘作業が開始された。ということは、まだまだこれから、新たな発見がある可能性も期待できると思う。うーん、恐るべし加曾利貝塚。首都圏の人たちには是非この場所に足を運んで頂き、古代のロマンを感じて頂きたいものである。

by yokohama7474 | 2018-07-14 23:40 | 美術・旅行 | Comments(0)
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