川沿いのラプソディ


川沿いの住まいから、音楽、美術、映画その他文化一般を語りつくします。
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ジュラシック・ワールド 炎の王国 (J・A・バヨナ監督 / 原題 : Jurassic World ; Fallen Kingdom)

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「ジュラシック・パーク」シリーズの第 5弾で、前作に続く「ジュラシック・ワールド」の 2作目である。夏休みでもあり、これは家族で見に行こうとされる、また、実際にされた方も多いと思う。だが、私が実際に見てみて、余計なことながら心配になったのは、はて、これを家族でご覧になって盛り上がるだろうかということである。簡潔に申し上げれば、これはどう見ても子供向きの映画ではない。いやもちろん、これまでのシリーズにおける恐竜のリアルな表現はますますグレードアップしているとは言えるだろう。恐竜が暴れまわるだけでも迫力はあるわけだから、それで家族全員大盛り上がりとなるならば大変結構なのだが、思い起こせば既に 25年前、1993年の第 1作のワクワク感を思い出すと、話の内容は随分と陰鬱なものになっていると実感する。つまりここでのストーリーは、前作で「ジュラシック・ワールド」として復活した恐竜のいるテーマパークの存在する島で火山が噴火するところから始まるのだが、そもそもこのテーマパークが恐竜の血を吸った蚊の化石から取り出された DNA から始まったことが回帰される。結局、放置しておけば溶岩流に飲み込まれてしまう恐竜たちを救い出して金儲けしようという悪い奴らと、それと戦う良心のある人たちの物語になっている。主役は前作と同じ、クリス・プラットとブライス・ダグラス・ハワード。
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ここでふと思い立って、前作「ジュラシック・ワールド」に関するこのブログの 3年ほど前の記事を読み返してみると、あーあ、なんだか随分けなしていますなぁ (笑)。この女優さんは映画監督のロン・ハワードの娘であるということも、自分の記事で思い出したのだが、まあそうですね。私はあまり裏表のある人間ではないので、つい正直な感想を書いてしまう傾向があると再認識した面は否めない。つまり、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズでその演技を楽しませてもらっているクリス・プラットの持ち味に比べて、このブライス・ダグラス・ハワードは、結構頑張っているとは思うものの、この作品に強い線を通すほどの貢献はないと、思わざると得ないのである。やはりこのクリス・プラット演じるオーウェン・グレイディの出演シーンとしては、この映画の予告編でも使用されたこのシーン、彼が育てて教育したヴェロキラプトルのブルーとの再会が、なかなかよい。
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スペクタクルという要素では、恐竜たちのいるイスラ・ヌブラル島でのシーンは迫力があるとは言える。
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だが、私の見るところでは、この映画の評価の分かれ目は、舞台がこの島で完結するのではなく、人間たちが欲得感情で動く実社会との直接的な関わりを持たせたことではないだろうか。これによってもはやこの作品はファンタジーであることをやめ、そして私の意見では、家族向けの映画ですらなくなっている。そこで出て来るテーマは、ある種ありきたりで古典的なものである。つまり、欲に駆られた人間は必ずその報いを受けるというものだ。そして、そこにクローンというテーマが還ってくる。そうすると次は生命の意味とか、あるいは、クローンたる恐竜と人間との間に信頼関係が成り立つか、という方向に流れて行く。だが、そこにはさすがに無理はないだろうか。例えば対照的な例として私はこのブログで、最近の「猿の惑星」シリーズが描いている深いテーマへの共感を表明している。だがそれは、そのシリーズに登場する人間の対立項が猿、しかも言葉を喋る猿であるからだ。だが、どう好意的に見ても、恐竜に猿と同等の知性を期待するのは無理である。だから、この流れに従って、もしかすると次回作で、ブルーと人間たちの間に何か交流が生まれるようなことがあるのではないか、という心配に駆られているのである。もっともこの作品においては、人間たちが強敵と戦っているところにブルーが大きな貢献を果たす場面では、なにもブルーが人間を助けようとしたという表現にはなっていないし、人間の側も、「ありがとう、ブルー!!」と言って抱きついたりはしない (笑)。その点は多少の救いではあったとは思う。これがブルー。
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私がこの映画を家族向きでないと評するのは、裏を返せば、大人を対象として作られているということである。それ自体は決して悪いことではないと思う。だがここでのジレンマは、上述の通り、対象が恐竜である以上、猿について紡ぎ出すことができた陰影の濃いストーリーを出すことができないということである。実はこのシリーズは 3作目の制作も既に発表されていて、前作の監督であり、本作で共同脚本と、スピルバーグと並んで製作総指揮を務めているコリン・トレヴォロウという人が、次回作ではまた監督に返り咲くという。その意味では、シリーズには一貫した流れができることになるということだろう。ところで本作の監督は、J・A・バヨナ。スペイン人で、主役 2人と並ぶと大変小柄な、左端の人である。
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この監督の近作は、既にこのブログでもご紹介したことのある、「怪物はささやく」。1年 2ヶ月前に書いたその記事で私は、この監督が「ジュラシック・ワールド」の次回作を監督すると、既に書いている。もちろん、すっかり忘れておりましたよ (笑)。私はその映画もそれほど高くは評価しなかったが、ただ、その「怪物はささやく」にせよこの「ジュラシック・ワールド 炎の王国」にせよ、ヴィジュアル面で印象的なシーンが多々あった点には、監督の手腕も大いに関係していることであろう。彼の作り出すヴィジュアルのひとつの特徴は、アニマトロニクスという手法。これは、巨大クリーチャーを画面上に表すのに、完全に CG を使うのではなく、コンピューター制御した実物大の模型を作って撮影すること。「アニメーション」と「エレクトロニクス」からなる造語だそうだ。これによって役者の演技は、実際に巨大なものを相手にすることで、より自然になるとは言えるだろう。J・A・バヨナが前作「怪物はささやく」で使用した写真を見つけたので、アニマトロニクスとはどんなものであるか、イメージが沸くというものだ。
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ちょっと調べてみると、このアニマトロニクスという手法を得意とした SFX 担当者に、スタン・ウィンストン (1946 - 2008) という人がいるらしく、彼の錚々たるフィルモグラフィーの中に、初期の「遊星からの物体 X」(1982年) や「エイリアン 2」、「ターミネーター」、「バットマン リターンズ」などと並んで、「ジュラシック・パーク」の最初の 3本が含まれているのに気づく。そう言えば、この作品ではシリーズの初期に出演していたジェフ・ゴールドブラムが久しぶりに出ているのが嬉しい。あ、それから、これも大変久しぶりに見たジェラルディン・チャップリン。もちろん偉大なるチャーリー・チャップリンの娘であるが、今年 74歳。実年齢以上に老けたメイクなのであろうか。バヨナ監督とは、前作「怪物はささやく」に続く出演である。
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このように、決して家族向けではない今回の作品、次回作はいよいよ、人間の住む世界における恐竜たちの姿が描かれることになるのだろう。思えばスピルバーグ自身が監督していた頃からは遠く隔たる内容になってきてしまったが、是非新鮮な発想を期待したいものである。なんだったら次は、R15 指定でいかがでしょうかね (笑)。

by yokohama7474 | 2018-08-23 02:48 | 映画 | Comments(2)
Commented by 吉村 at 2018-08-24 21:20 x
怪獣、恐竜が好きな私はこのシリーズも欠かさず観るのですが、今作には大変がっかりしました。しっかりした原作があったとは言え、最初のジュラシックパークが人間の善悪を越えた生命の力を感じさせたことに比較して、今作の勧善懲悪路線とスケールの小ささは残念です。かろうじて、最後のシーンには一種の清々しさと禍々しさを感じましたが。本当にシリーズ物は難しいですね。
Commented by yokohama7474 at 2018-08-24 23:16
> 吉村さん
やはりそうですよね。映画に限らず、世の中の様々な事柄が、原点こそ最も偉大であるには、無理からぬ理由があるのだと思います。
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