川沿いのラプソディ


川沿いの住まいから、音楽、美術、映画その他文化一般を語りつくします。
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メモ帳

オーシャンズ 8 (ゲイリー・ロス監督 / 原題 : Ocean's Eight)

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「オーシャンズ」シリーズは誰もが知る痛快な犯罪映画で、2001年の 11 に始まり (もっともそれは 1960年の映画のリメイクであったようだが)、12、13 と来たところで 10年以上の歳月を経てしまった。いずれもスティーヴン・ソダーバーグが監督し、主演のジョージ・クルーニーをはじめとして豪華キャストが顔を揃えたこの 3作は、私はいずれも劇場で見て大変楽しんだ。今でも 1作目の大詰め、ラスヴェガスの噴水をバックにドビュッシーの「月の光」が流れるシーンは、鮮明に覚えている。だが正直なところ、いくつかのシーンの個々の印象はともかく、3作のストーリーの詳細までは覚えていない。だからこの「オーシャンズ 8」の予告編を見たとき、ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンの妹デビー・オーシャン役のサンドラ・ブロックが、兄の死を語るシーンに、少し違和感を覚えたものだ。どうやらこの映画、そのダニー・オーシャンの死後、その妹が率いる 8人の盗人仲間による宝石略奪を描いた映画であるらしい。ソダーバーグは今回は製作に回り、脚本・監督を務めるのはゲイリー・ロス。人気作「ハンガー・ゲーム」でも脚本・監督を務めた 61歳。
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さて今回、この監督の起用がよかったのか否かはにわかに判断がつかないが、それはひとえに、演出の良し悪しを考えさせないくらい、女優たちが素晴らしいからである。もちろん、まずはこの 2人。
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サンドラ・ブロック 54歳。ケイト・ブランシェット 49歳。この 2人がこれまで歩んできたキャリアはかなり異なると思うのだが、ここでのコンビは大変にいい味出していることは明らかだ。サンドラ・ブロックの場合、30歳のときに「スピード」で大ブレイクしたが、その後の活躍は正直なところそれほど派手ではなく、近年の作品としては「ゼロ・グラビティ」くらいしか思い当たらないが、それから既に 5年が経過している。だがこの映画では実に楽しそうに泥棒の役を演じていて、あえて言えば彼女の演技が映画全体に流れを作り出しているようにすら思われる。一方のケイト・ブランシェットは、エリザベス 1世を演じるかと思えば「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズに出演し、また、ウディ・アレン作品の主役までこなしてしまうという器用さを持っており、今年のカンヌ映画祭では審査委員長まで務めるという多才ぶり。だが正直なところ私はこれまで、演技者としての彼女を高く評価しても、彼女の顔を見て美しいと思ったことはあまりなかったが、この作品における彼女は、実にカッコよいとともに、惚れ惚れするほど美しい。だからまずこの作品は、この 2人の女優の新境地を開く作品であると思われるのである。そしてそこに、いつもの濃い役柄からは少しはまともな役 (かな?) を演じるヘレナ・ボナム=カーター。そして、天然なのかしたたかなのか掴みにくい女優役を演じる、アン・ハサウェイ。
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それ以外にも、白・黒・黄色・インド系の女優たちがそれぞれに持ち味を発揮している。この女優たちの実生活での本職は、ラッパーありミュージシャン兼モデルあり、はたまた脚本家ありで、まさに百花繚乱。
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ひところのハリウッドは、いい男の若手俳優が続々と輩出するのに比べ、女優の方はなかなかそうはいかないという状況が続いていたと思う。しかるにこの映画を見ると、なるほどいい女優も沢山いるではないかと思うこと必定で、時代は移り変わっているのだなという思いを新たにする。但し、その多くは若手女優ではなく、充分な経験のある人たち。これがこの映画の最大の特色であると思う。つまり、ハリウッドのような成熟した芸能界においては、ただ若いだけでは価値は充分ではなく、それぞれの個性こそが重要で、その個性の醸造には幾分かの年月がかかるということかもしれない。

劇中における彼女たち 8人は、それぞれになんともしたたかで、あるときは傍若無人、あるときは厚顔無恥、またあるときは清水の舞台から飛び降り、あるときには慎重には慎重を期して、それぞれの犯罪人生を突き進むのである。あ、そういえば、題名の通り 8人の女性が主人公なのであるが、ストーリーの途中まで、チームは 7人であることに気づくだろう。その点もなかなか気が利いている。もちろん大がかりな泥棒ストーリーであるから、ハラハラドキドキには事欠かず、「あれ? ここはなんでこんな無駄をするんだろう。こうすればもっと安全で手っ取り早いじゃないの」と思うシーンがあっても、必ずそこには意味がある。そのように思い返してみると、なかなかによく練られた脚本ではあると思う。それから、かつての「オーシャンズ」シリーズに登場したユニークなキャラクターも久しぶりに登場して、それもまた楽しい。メトロポリタン美術館で実際にロケしているとおぼしいパーティのシーンでは、マリア・シャラポワやセリーナ・ウィリアムズ、ケイティ・ホームズらがカメオ出演と、花を添えている。ただ、唯一残念なのは、ここでのメインストーリーである超豪華ネックレスの強奪作戦に関しては、うーん、ちょっと無理があるような気がするのである。いやもちろん、「こんなことありっこないよね」という声に対応するために、ある人物のキャラクターに工夫をしてある、つまり、確信犯で盗みに協力するという設定になっていることは分かる。だが、これだけ大掛かりな盗みにおいて、そのような不確実さに依拠した計画を立てるものであろうか。途中からなんとなくその流れが読めてしまうこともあって、そのあたりの設定には少し保留をつけたくなるのである。カルティエ秘蔵のネックレスは、劇中では時価 US$ 150百万。
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だが、そのようなストーリー上の若干の課題があってもなお、やはりここでの女優たちの活き活きとした演技を見る価値はあると思う。考えてみれば、主人公たちが軒並み女性という映画は、それほど多くないはず。この映画は文字通り、女優で見る映画であると言えそうである。あ、そうそう。実はこの映画にはもう一人、注目の女優が出演していた。私も見終わってからプログラムを見て気づいたのだが、劇中でアン・ハサウェイ演じるダフネ・クルーガーのライヴァルであるペネロピー・スターンを演じる女優は、よく知られている人なのである。劇中の写真が見当たらないので、この女優がこの映画の撮影現場に現れたというニュースの画像を拝借しよう。
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実はこれ、ダコタ・ファニングである。かつて天才子役として知られた彼女は、今でも 24歳と充分若い。だが、大変残念なことに、この映画を見る限りは、女優としての魅力満載という印象でもない。彼女の妹エル・ファニングの活躍ぶりはこのブログでも散々絶賛して来ているが、4つ年上の姉は、明らかに妹の後塵を拝している。だが、まだまだ将来のある身。またその演技が変わってくることで、存在感を取り戻す日が来るかもしれない。そうなれば、8人の盗人たちの仲間入りもできるだろう。それを期待したい。

さて、ここでまた私の根拠のない憶測を披露させてもらおう。「オーシャンズ」シリーズは 11、12、13 と来て、今回は 8 ということであるから、これは当然、間を埋める 9、10 もこれから制作される算段であると見るのが、妥当ではないだろうか。そして、本作では既に死んでいる (死亡年は 2018年、つまり今年である) という設定のダニー・オーシャンが実は生きていて、次あたりヒョコヒョコ登場するのではないだろうか。本作のラストでサンドラ・ブロックが兄の墓の前で、今回の盗みの首尾について「見せたかったよ」と呟くのであるが、次の作品ではこの人が物陰から出て来て、「見たよ」と返事をすると・・・。ま、繰り返しだが全く根拠はなく、私の妄想なのですがね (笑)。あっ、でもそれ、「ゼロ・グラビティ」ではないか!!
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by yokohama7474 | 2018-10-02 00:13 | 映画 | Comments(0)
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